第21話

右に4回 B
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2025/11/18 14:45 更新
まだまだ暑さが残る9月の夜、とあるCEOは帰宅後のお楽しみを胸に帰宅準備を進めていた。
伊沢拓司
(帰ったらサッカー♪)
どうやらもう支度を整えたらしく、軽い足取りでエレベーターへ向かっていく。22時を過ぎたオフィスはさすがにガラガラである。エレベーターホールに着くと下矢印のボタンを押す。真ん中のエレベーターが上がってきている。
伊沢拓司
(明日は久々の休み……何しよっかな?)
ウィン、と扉が開く。と、その時、誰もいないと思っていたエレベーターの中からこんな声が飛んできた
山本祥彰
お、伊沢さん!ちょうど良かった!
そこには声の主である山本と……見るからに顔面蒼白なのがわかる汗だくのライがいた。
伊沢拓司
……なるほど。ライ怖かったでしょ、よくここまで来たよ!
ここまでの事情をかくかくしかじか話すと伊沢はそういいながらライの背中をポンポンと叩く。
あなた
……もーやばい。相当怖かったぁあああ
山本祥彰
ほんっっっと、無事で何より。
あなた
山本さんのおかげですよ。山本さんがビルの前で話しかけてくれなかったら下手するとあのまま追いつかれて……
……もし、見えなかっただけで相手が凶器を持っていたら?そんな怖い妄想がライの脳内に駆け巡る。
伊沢拓司
でも、冷静に右に4回曲がってストーカーかどうか調べたのまじですごい。
右に4回曲がる……普通に移動しているなら、通常こうした動きはありえない(元の道へ戻ってしまう)ため、一緒に4回目の角を曲がった人物がいたら、自分を尾行している事が確実となるこの方法。
ライはこの方法を思いつき、実践したのだ。
あなた
そんなことない……ですよ?
山本祥彰
いやいや!なかなかできないって!
伊沢拓司
……まあ、怪我とかもしてないみたいだし良かったよ。で、ライ……ここからどうするかなんだけど。
伊沢が再びライに向き直る
伊沢拓司
まず今日は1回家には帰らない方がいいかも。ライはいつもイヤホンつけて帰ってきてるから分からないけど、多分家が特定されてるんじゃないかな?安全のためにも……今日はここで泊まって。
あなた
……はい。
伊沢拓司
んで明日1度俺らと一緒に家に行ってみよう。最悪の場合……家にカメラとか盗聴器が仕掛けられてるかもだからそれも一緒に見よう。
あなた
……わかりました。
伊沢拓司
ここは警備員さんもいるから大丈夫だろうけど、なんかあったら悪いから今日はここに俺も泊まるわ。
……山本は?
山本祥彰
僕も泊まります。
伊沢拓司
よし!そーいうことだから、ライは仮眠室のベット使いな。山本はそこのソファーね。
山本祥彰
伊沢さんは?
伊沢拓司
あー、俺?今からサッカーの試合。
あなた
……ちゃんと寝てくださいね?
山本祥彰
ライこそ!心配で眠れないかもだけど、寝れる時に寝てね?
あなた
……ハイ
伊沢拓司
んじゃ、かいさーん!
そんなこんなでライは仮眠室のベットへ向かった。

次の日あんなことになるのも知らずに……

次回へ続く……?

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