まだまだ暑さが残る9月の夜、とあるCEOは帰宅後のお楽しみを胸に帰宅準備を進めていた。
どうやらもう支度を整えたらしく、軽い足取りでエレベーターへ向かっていく。22時を過ぎたオフィスはさすがにガラガラである。エレベーターホールに着くと下矢印のボタンを押す。真ん中のエレベーターが上がってきている。
ウィン、と扉が開く。と、その時、誰もいないと思っていたエレベーターの中からこんな声が飛んできた
そこには声の主である山本と……見るからに顔面蒼白なのがわかる汗だくのライがいた。
ここまでの事情をかくかくしかじか話すと伊沢はそういいながらライの背中をポンポンと叩く。
……もし、見えなかっただけで相手が凶器を持っていたら?そんな怖い妄想がライの脳内に駆け巡る。
右に4回曲がる……普通に移動しているなら、通常こうした動きはありえない(元の道へ戻ってしまう)ため、一緒に4回目の角を曲がった人物がいたら、自分を尾行している事が確実となるこの方法。
ライはこの方法を思いつき、実践したのだ。
伊沢が再びライに向き直る
そんなこんなでライは仮眠室のベットへ向かった。
次の日あんなことになるのも知らずに……
次回へ続く……?













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!