第10話
赤い宝石
・〜『嘘ついたら針千本のーますっ!ゆびきった!』」
お姉さんが先に眠りに着いたことを確認し
私はいまだ眠れず
ぼーっと天上を眺めていた
「………………………………」
約束したはいいものの
私はままになんて言って
説明したらいいのだろう
そんなことをずっと考えていた
枕元にあるスマホを手にとって
母親とのトーク画面を開き
明日話したいことがある
とだけ送信するとすぐに既読がつき
そこから返信が帰ってくることは無かった
眠れないことを言い訳に
また部屋を見渡す
写真やっぱり気になるな
おねえさんのお友達かな
もう一回だけ
見るだけ
気づけば私はベットから起き上がっていた
「……………………………」
かわいいらしいミルクティー色した茶色い
肩下くらいのふわふわした巻き髪
肌は雪のように白く
大きな少しタレ目のアーモンドアイ
服は少しくすんだ柔らかい桃色と白色を
基調とした花柄のワンピース
おっとりしたお嬢様って感じの
かわいらしい人
出会って日が浅いのもあるが
私はなんにも知らない
静かに寝息をたてるお姉さんの方を見て
少し切なくなった
明日は土曜学校も休みで早くは無いが
変なこと考えてないで
さっさと眠りにつこう
ずっと胸の中にある霧がかかった状態に
私は蓋をした
「………………………………」
朝10:25
外から聞こえる大量の雨音で目が覚める
ぐっすり眠れなかった私は
隣でスヤスヤと寝てるお姉さんを
起こさないようにそーっと布団から
離れるとベット横にある小さな
サイドテーブルに小指を勢いよくぶつけた
ゴトッ
「いっ……………!!!!」
っと先走る声と痛みを
ごくんと唾を飲んで抑える
私が小指をぶつけた衝動でサイドテーブルから
小さな箱が床に落ちてしまった
慌ててそれを拾いあげると
誤って小箱の蓋が空いてしまい
中身がシャラッと音を立て
また床に落ちそうになるのを
手のひらでキャッチする
「あぶな…」
箱の中身はネックレスだった
シルバーのシンプルな短めチェーン
胸元の中心に来る部分には
深い赤い色をしたキラキラ輝く石
なんて名前の宝石なんだろう
「すごく綺麗」
地味な私はファッションどころか
アクセサリーになんてもっと無知で
ただその輝きに見惚れるだけだった
こんなに綺麗なネックレスなのに
オシャレなおねえさんが
つけているのを見たことがないな
きっと似合うだろうなと
考えているとどこかこのネックレスに
既視感を感じまさかという思いで
写真立ての方へ静かに歩く
「やっぱり…」
写真にうつってる2人がみにつけてる
ネックレスと今私が手に持っているネックレス
見比べてみても全く同じで
既視感の正体はこれだった
「…………………………………………」
今はつけてないってことは
昔何かあった人なのかな
でも捨てずちゃんと大事そうに
箱に入れて保管してあるということは
やっぱりきっとお姉さんにとって
大切な物で思い出なんだろう
「………………………」
私はネックレスをケースへ戻し
また元通りの場所へ
そっと置いた
耐えがたい瞬間は耐えがたい記憶としてずっと残る












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!