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第7話

第六話 『日常』
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2024/01/13 09:00
窓から差す日の光で目が覚めた。


目を擦りながら体を起こして、窓の外を眺める。
🐇
🐇
…今日も平和だな
あの日から、またいつもの生活に戻った。


王子として仕事をして、回復魔法の研究を行い、いつものように眠る。


大体そんな毎日である。


その毎日がずっと続いていくのだと、


そう、思っていた。


…あんなことになってしまうとは、思ってもいなかった。



























朝の用意をして部屋から出る。
家来
おはようございます、王子
🐇
🐇
あぁ、おはよう
突然人が出てきたので、急いで笑顔を取り繕う。


笑顔を作るのはずっと昔からの癖だった。


無愛想な感じよりも、笑顔の方が色々と都合が良い。


そう言うことが分かっているから。


でも瀬戸は笑顔を作るのを止めてくる。


『んなことしてたらいつか壊れる』と、俺を心配してくれているらしい。


…気持ちは嬉しいんだけど、笑顔で居ないと居場所を無くしてしまうのは俺の方だから


また今日も、同じ笑顔の仮面を被って過ごした。




🐇
🐇
(…今日もちゃんと笑えたかな)
そんなことを考えながら、自室で回復魔法の研究を進める。


すると、窓からチュンチュンと小鳥の声が聞こえた。


よく見ると、その小鳥の足に手紙が結ばれている。
🐇
🐇
瀬戸からの手紙か…
瀬戸はいつも小鳥を使って手紙を送って来るのだ。


この子の名前は確か…『リリィ』だったかな…。


リリィを両手でそっと抱え、机の上へそっと置く。


そして、器用に足の紙をゆっくり解いていく。
🐇
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…はぁ、相変わらずキツく締めてんな
固く結ばれた紙をようやく解いた。
🐇
🐇
…よし、もう大丈夫だよリリィ
僕がそう言うと、リリィは小さな羽をパタパタと震わせながら空へ向かって飛んだ。


少しの間リリィを見送り、瀬戸からの手紙にそっと触れる。


回復薬と血の匂いが、ふわりと香った。


決して『良い匂い』とは言えないが、僕は少し頬が緩んだ。


ペリペリと封筒を剥がし、中の手紙を読んでいく。





『今◯◯にいる』だとか、『雨が多くて大変だ』だとか、何気ない日々の内容が綴られていた。


中には瀬戸のマヌケ話も書かれていて、クスクスと小さく笑った。


そして、手紙の最後の方はこんな事が書かれていた。









『またお前に会うために、俺は意地でも死なねえぞ。


だからお前も無理すんなよ。』
🐇
🐇
…ふふ。瀬戸らしいな
俺はクスクスと笑いながら、机の中から便箋を取り出す。


そして、彼への手紙の返事を書き始めた。




『こっちは今冬だよ』だとか、『魔法の研究がうまくいってる』だとか、どうでもいい事ばかり。


だけどあいつは、それで笑ってくれるから。


そして最後に、一言付け足しておく。








『また会いたいから、早く帰ってきてよ。


それまで俺も頑張るからさ。』


手紙を紙飛行機の形に折り、魔法で瀬戸の元へと飛ばした。


手紙は、遠く遠くへとまっすぐ飛んでいった。



やほです、主の天音です

投稿遅くなってすみません…🙇

最近忙しいのと、書く気が起きないのと…

理由はたくさんですが、頑張って書いていきたいと思います!

それでは、また。

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