ばらばらと写真が床へばら撒かれた。
そこに写っていたのは、
床に転がる人々。
返り血で真っ赤に染まったヒョンたち。
僕の、知らない顔だった。
息が詰まる。
心臓が痛いほど脈打つ。
聞きたくない。
そんな言葉、聞きたくないのに。
違うと言いたいのに。
言葉が出てこない。
ヒョンたちが仕事の話を僕にしないこと、
怪我をして帰ってくること、
すべてが繋がった気がして。
どうして教えてくれなかったんだろう。
あぁ、僕は。
勘違いしていたのかな。
父さんが僕の前にしゃがみ込む。
その言葉が甘い希望のように思えた。
ヒョンたちがこの仕事を辞めれば。
怪我をしなくなる。
痛い思いもしなくなる。
そうすれば、能力なんて関係なく
僕だけを見てくれるんじゃないかって。
きっと大丈夫だ。
父さんを信じていればきっと上手くいく。
ヒョンも、僕も幸せになれる。
何もない僕は
この人の言葉に縋るしかないんだ。
*
車が止まる。
ミンギュヒョンの大声が響いて、
みんなが一斉に車を降りる。
何か言いかけたドギョミヒョンに
どうしたのかと聞いてみるけど、
大丈夫と言われて手を差し出される。
握り返すと温かいヒョンの
感触が伝わってきた。
しばらく歩いた先。
だだっ広い花畑の真ん中で
僕はその人が現れるのを待った。
クプスヒョンの低い声が響く。
奥から顔出した父さんと言葉を交わすヒョン。
たけど、何を言っているのか分からない。
条件?攻撃?
ドギョミヒョンが守るように
僕の少し前に出る。
いつのまにか武器を構えているヒョン。
スングァニヒョンの言葉を思い出した。
やっぱり。
父さんの言っていたことは本当だった。
みんなは、殺し屋なんだ。
僕は、ヒョンの手を放した。
温もりが消えていく。
でも父さんのところに行かないと。
父さんを信じればいいんだ。
この人は本当の家族だから、
僕に嘘をついたりしない。
父さんの隣に立って、
振り返ればみんなの顔がはっきりと見えた。
それがいつもの優しい笑顔だったら
なんて願いは儚く砕けて散って。
まるで知らない人を見ているようだった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。