第3話

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2024/01/09 15:00 更新
ゾムがルイーズの推薦状を書いているのを、私は見ているだけだった。
グルッペンはゾムがある程度書いたところを見届けて、口を開いた。
グルッペン
…じゃあ次、あなたの名字あなた
グルッペン
彼女については…見てわかるが恐ろしい強さを秘めている
コネシマ
…そーかぁ?
グルッペン
もちろん今はまだ成長過程だ…しかし、これから化けるな
グルッペン
ルイーズと違い、天性の強さは全くない
グルッペン
だがそれをここまで持ち上げるべくした努力は計り知れない
グルッペン
その努力ができたなら、化ける
グルッペン
…と、確信している
…怖。
一年間必死で、というところまでは分かってないにしろ、それが分かってしまうとは。
伊達に軍人やってないな、下手な嘘はすぐにバレてしまいそうだ。
これはマズイところに加入したかも。
男好きなんてバレたら叩かれる、しかしそれを隠すのも容易ではない。
シャオロン
なあ、それが本当だとしても
シャオロン
コイツら二人は大丈夫なんか?今までの忘れてないやろな
ゾム
…別に、忘れてねーよ
グルッペン
俺もだ、その上で推薦している
ルイーズ
何?
シャオロン
お前らが女やから
ルイーズ
…は?
あなた
女だから入れたくない、ということか。
やはりそうか、男好きと女嫌いは相性が悪いにも程がある。
それに対して怒ったルイーズが、何かしらの反論をしている間、
私はこれから幹部をどう落とし、そして戦争でどう生き残るかを考えていた。
そうだな、まずは落とす。
そうしたら、戦争でも多少守ってくれるかもしれないし、
戦略を立てる時点で、まず前線に無理矢理に持っていこうとはしないはず。
で、落とす算段だ。
最初にゾムから手をつけるべきか?
私のことを気に入っていないようだ、それは他の幹部も同じだが。
しかしルイーズのことを気に入っている点。
そこがダメだ。
多分、他の奴らは多少後回しでも、ゾムさえ落とせたらその過程で勝手についてくる。
否、逆に私のことを割と気に入っている男、グルッペンから落とすべきか。
彼は総統だ、発言力もある。
そんな男が私に落ちれば、他の奴らはそれに付き合わなければならないだろう。
だからグルッペンから手をつけるのもアリ。
…とりあえずは様子見だな。
グルッペンがどれほどの発言力を持っているのかも知らないし、
ゾムが、どれほどルイーズを気に入っているのかも分からない。
それによって先に手をつける方を決めよう。
オスマン
あなたちゃーん?
あなた
えっ?あっ
気付くと、目の前にオスマンの顔があった。
あっ、イケメン…♡
じゃなくて、なんだ?
あなた
な、なんです?
オスマン
いや?さっきから呼んでたんやけど全然気付かへんもん
あなた
あ、すみません…
あなた
なんでしょう、書類ですか?
オスマン
うん、そう
オスマン
これにな、名前書いてほしい…あ…でもいきなりすぎるよな
オスマン
グルッペンの我儘に付き合ってくれるんなら…でいいから
あなた
も、勿論です…
ルイーズ
書くの?アンタ正気?
あなた
…どういうことですか
ルイーズ
さっきの会話聞いてなかったの
あなた
はあ、まあ
ルイーズ
…こいつら女嫌いなんだよ?
ルイーズ
そんな空間にぶち込まれても、アンタは平気なわけ?
ルイーズ
そもそも私だって男は嫌い
ルイーズ
こっちから願い下げだね
ゾム
やっぱおもろい奴やなぁ!
ルイーズ
どこが?
あなた
…ルイーズさんは辞退を?
ルイーズ
そりゃあ、ね
ああそう。
別にいいよ好都合だし。
でもそれにしては。
あなた
止めてほしそうな顔ですね
ルイーズ
は?
辞めると自分で言っていながら、入ってくれと懇願しているゾムに甘えている。
過度に必要とされていることに対して、喜びのようなものを感じている。
そんな表情。
今まで必要とされてこなかった、または酷く虐げられてきた。
それだから、ゾムに必要とされていることが無意識に嬉しい。
あなた
満更でもないんじゃないですか
そう言ってほくそ笑むと、ルイーズは整った顔を赤くして私を睨んだ。
ルイーズ
馬鹿言わないでよ!帰るっ…!
あなた
…いえ、すみません…その
あなた
もしかして…入らねばならない理由が、何かあるんですか?
ルイーズ
っ…!
あなた
…そうなんですね
あなた
じゃあ嫌がらなくても…
あなた
はい、ペンです
ルイーズ
うるさいっ!
ルイーズは私の手からペンを奪うようにして取り上げると、
乱暴に、勢いよく名前を書いた。
紙が破れてしまうぞ。
そしてこれまた乱暴にペンを置くと、拗ねた顔でそっぽを向いた。
オスマン
おぉ…
あなた
すみません、はいどうぞ
オスマン
あ、ありがとう…
ゾム
ナイスやであなた!
ゾム
…あれ?名前合ってるよな?
あなた
あ、はい合ってます
ゾム
よし!これで俺は満足や!
トントン
ホンマに…我儘もほどほどにな
トントン
…もちろん、これで多少仕事は減って、楽になるとはいえ
トントン
それに甘えて、サボったりするようなら容赦はせんからな
グルッペン
うっ…こ、こんなときくらい…そういう話はやめるんだゾ!
トントン
はぁ
そのあと部屋を与えられ、簡単な荷物を崩し終わった私は、
新品の、支給されたベッドの中で、私は一人蹲っていた。
そのとき私の頭を占めていたのは、嘘だろ、という言葉それだけであった。
あんなの聞いてないぞ。
まさかライバルが現れるだなんて!
想定外だ、幹部にさえなれば、女などいないと思っていたのに!
そもそもの倍率と、厳しい試験によって女は基本的に落ちる。
体力的なところもあるが、面接でボロを出し男好きがバレて落とされるのが現実。
そこで私は、厳しく、それも噂になるくらい自分を鍛え上げた。
その間他の試験を受けようとしている女どものことを調べ上げ、
さりげなく接触することで、試験そのものを受ける意志から破壊していった。
もちろん、私だって完璧とは言い難いから、取りこぼしはあったんだろう。
しかし取りこぼしの中から、あんな逸材が、しかも幹部になって出てくるとは。
どんな確率だ畜生が!
それにアイツ何なんだ、私のことを知ってるかのような態度だった。
必ず加入しなければならない理由というのも気になるところだ。
つまり私がこの軍に入ってまずすることは、男たちを落とすことでも訓練でもなく、
ルイーズについて残っている、全ての情報を手に入れること!
軍の整った設備を利用できるのはありがたいからな、またとないチャンスだ。
そんなことを考えながら、まずは自分の持つ端末であるものを注文した。
小さい、特注の盗聴器である。
私がここに合格した祝いの日にもらった金は全て使った。
金なんて、軍にいたら自然と貯まる。
惜しむことはない。
そしてそれを、ルイーズが入浴中に、部屋の滅多に見ないところに付けた。
あなた
…よし…
あなた
何かボロが…出たらいいけど
ルイーズの奴、済ました顔の下に何を隠しているのか知れない。
運良く退職に繋がる秘密が暴けたら、それを提出するまでだ。
しかし盗聴器を提出するということは、私も相応のリスクを背負う。
何故しかけたのか、なんて聞かれたときに、スラスラ嘘が言えるように、
言い訳ばかり考えていた。
彼女の部屋からの帰り道、私は幹部の誰かとすれ違った。
あなた
…?
ゾム
ん?あああなたか
ロボロ
お、お疲れさん
あなた
ど、どうも…お疲れ様です
ゾム
なあ、今度手合わせしようや
あなた
へ?
ロボロ
お前馬鹿…!んなもんいきなり言うたら困るやろが!
ゾム
えー、イヤか?
あなた
え、いえ別に、光栄です…
あなた
でも満足していただけるかが…
ゾム
まあそれは大丈夫やろ!
ゾム
グルッペンが認めたわけやし、そこそこ強いんとちゃう?
あなた
き、期待しないでくださいね
たかだか手合わせなんかで死にたくない。
本気を出されてしまったら勝ち目はないし、適度にハードルを下げておかねば。
ロボロ
…すまんな、こういう奴や
ゾム
ああ?お前もやりたいって…
ロボロ
うるさい黙れ!!
ゾム
でかい声出すなやアホ!
あなた
あ、あはは…
じゃあまた今度、と言って去っていく二人。
…これは困ったことになった。


























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おわり
夢主は確かに強いんですが
まあ今までの夢主に比べても、天才的な強さはないですね
努力してやっと追いついた感じ
じゃ、ばいばい!

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