うるさい照史を仕事に送り出し、俺は開店の準備を始める。
小さな古びた喫茶店やけど、それなりにファンがいて、何とかやっていけとる。
レトロな感じが最近じゃお洒落なんだってさ。
冷凍庫の中をチェックしとると、カレーの在庫が少ないことに気づく。
…少し作りおきしとくか。
あんまり食事系は置かんようにしとるんやけど
このキーマカレーだけは別で
常連さんにも人気やから、きらすわけにもいかん。
…買い物行くか。
その辺にあった上着を羽織り、外に出た。
近くのスーパーで必要なものを買い、
…ちょっと休憩するか
近くの公園のベンチに座る。
…あぁ、気持ちええ
光合成ゆうんかな、こういうの。
夢見が悪かったせいで、重たかった心が浄化される気がして、気持ち良かった。
…なんやろなぁ
すっかり調子がくるってもうた。
もう、7年前の話なのに…
そん時、足元にボールが転がってくる。
〈すいませ~ん〉
4~5歳くらいの男の子がこっちに向かってくる。
俺は足元のボールを拾い、
と、渡してやる。
その時、
その男の子のお母さんらしき人が呼ぶ声がする。
目の前に現れたその子のママを見て、俺は言葉を失った。
それは、夢に出てきた昔の恋人やった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!