「それより、なんか人がいっぱい居るね。」
『これって普通なのかな?』
「どーだろ。」
「あ!みて!」
「なんて書いてるんだろ。
、、、夏祭、り?」
『なにかの儀式かな。でも祭りって書いてあ
るし!面白そうだね!』
「ホントだね!何やるんだろ!」
「とにかく今日は、1000円持ってる!」
『えぇ、そんな大金なんで持ってるの?!』
「鍵盗んだ時に院長先生のお財布から取って
きた。」
『えぇ、怒られるよ!!』
「逃げ切れば勝ち。だから大丈夫。」
「とりあえず、これでスーパーに行ってお水
とご飯を買いに行こう!」
「誰かに疑われたら、、おつかいだって言え
ば何とかなる!」
『買ったものはどーするの?』
「一旦異能部屋に置いて、寝る時も異能部屋
に居たら生きてけるね。」
「火とかは無いから、コンビニでお湯とか出
してそれを持っていったらカップ麺とか食
べれるね。」
『すごい!なんでそんなに知ってるの?』
「んー?風の噂だよ!」
うそだよ。
ごめんね嘘ついて。
異能部屋で未来の横浜調べたの。
「日が暮れる前に!早く行こ!」
あったかい。
手を繋いだのは初めてかも。
離したくない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!