亜理と井森はしばらく無言で向き合っていた。
ええと
最初に言葉を発したのは亜理だった。
わたし、今物凄く怖いんだけど
僕はかなり興奮している
世の中にまだこんな凄いことがあるなんて驚きだ
つまり、どういうこと?ええと、あなたが驚いている理由とわたしが驚いている理由は同じよね?
なんでそんな持って回った言い方をするんだい?
もし、わたしの勘違いだったりしたら、そして、わたしが思っていることを口走ったりしたら、きっとわたしは頭がおかしいと思われてしまうわ
君は偶然、合言葉が一致したと思ってるのかい?
やっぱり合言葉なんだ
僕はそう言ったよね
ということは、つまり……駄目。やっぱり言えないわ
どうして言えないんだよ?理由がわからない
だって、おかし過ぎるもの。意味が通らないわ
理論は後で考えればいい。とりあえず現象を分析しなければ、理論は生まれないんだ。知ってるかい?どんな状況下でも光の速度は常に一定であるという不可解な現象から相対性理論は生まれたんだよ
でも、わたしは言わないわ。行った後できっとおかしいと笑われるんだから
じゃあ、僕が言おう。こんなところで堂々巡りしていても埒が明かない
井森は亜理の目を見詰めた。
僕たちは不思議の国にいた。その時、僕はビルで、君はアリスだった
亜理は悲鳴を上げた。
周りの人々が二人を見た。
おい。悲鳴を上げるってのは酷いじゃないか。まるで、僕が君に何かしたみたいに思われている
あんまりびっくりしたものだから
大方、想像が付いていただろ
ええ。でも、ひょっとすると妄想なんじゃないかと思ってたから……。あっ。ひょっとすると今、あなたが言ったということ自体がわたしの妄想なのかも
そこまで疑ったら、自分の精神を信頼できなくなるよ
今、まさに自分の精神が信頼できない状態なんだけど
君はあの世界ではかなりまともな方だと思ってたけどね
つまりつまりどういうことなの?これは催眠術か何か?
どこがどう催眠術なんだ?
つまり、あなたがわたしに変な夢を見せたんでしょ
いいや。そんなことはしていない
じゃあ、どういうことなの?なぜあなたはわたしの見た夢の内容を知っているの?
だから、僕も君と共通の体験をしたからだよ
二人の夢が繋がっていたということ?どうしてそんなことが起きるのよ?
理由はわからない。それから、単に二人の夢が繋がっていただけという訳ではないように思うよ
じゃあ、やっぱりわたしの気が変になっているの?
広い意味ではそうかもね
やっぱり……
だが、そう心配する必要はないと思う。客観的な現象は存在すると仮定してみて、矛盾が生じた時に初めて自分の正気を疑えばいいんだから
客観的な現象って何よ?
不思議の国は実在するって仮定するんだ
自分の頭よりまずあなたの頭が心配になってきたわ
オッカムの剃刀って知ってるかい?
海外メーカーの髭剃り?
不必要な仮定は立てるべきではないという原理さ。つまり、物事を説明できる最も単純な理論を採用すべきということだ
最も単純なものが正しいってこと?
そうじゃない。必要もないのに複雑な仮説を取り扱うのは、思考の無駄だという意味だ
どう違うの?
今は意味を厳密に分析している時じゃない。僕が言いたいのは、不思議の国があると考えた方がすっきり説明が付くってことだ
もしあの世界が実在するとして、一体どこにあるの?地面の下?海の底?それとも他の惑星?
君はどこだと思う?
地面の下。だって、なんだか穴に落ちて到着したように思うから
たぶん地面の下にあれだけの空間は存在しえない。それにあの世界には日が射していただろ
じゃあ、海の底?
海の底だとしても、地面のしたとほぼ同じ問題があるね
じゃあ、やっぱり別の惑星なの?
その可能性が最も高い。だが、それでも、どうして僕たちがこことあそこの間を移動できるのか説明は難しい
本当に移動しているの?寝ている間に?夢遊病者みたいに?
単なる夢遊病じゃない。僕たちは変身していた
寝ぼけているから、そう思い込んでいるだけなんじゃない?
眠っている間に僕たちが家を抜け出し、どこかで出会って、そこで夢を見たまま話会っているって?
そうとしか思えないわ
そんなことをしていたら、とっくに誰かが気付いて、今頃二人とも治療を受けていることだろう
じゃあ、どうやって夜中に出歩けるのよ?
出歩いてなどいないのでは?二人とも自宅にいて、体は眠っていたとしたら?
じゃあ、やっぱり夢なんじゃないの?
単なる夢じゃない。二つの世界の特定の人物同士がリンクしているんだ
どういうこと?
この世界には、僕が存在し、向こうの世界には蜥蜴のビルが存在している。そして、その二人はリンクしており、一方の夢が一方の現実と重なっている
結局、夢なの?夢じゃないの?
精神の健康が最優先課題なら、夢だということにするのが、最もてっとり早い
じゃあ、そうしようかしら?
それでもいいが、このまま事態を放置するなら、向こうの世界で、君に不幸がふり掛かることは避けられないよ
何の話?
アリスはハンプティ・ダンプティ殺人の犯人だと思われている
そうだったわね。でも、あれは頭のおかしい帽子屋と三月兎の勝手な思い込みよ
だが、彼らは証拠を示した
証拠って、白兎の戯言のこと?
この世界では白兎が何を言おうと証拠とは扱われないが、向こうの世界では立派な証言になるんだよ
アリスは逮捕されるかもしれないってこと?
そうなる可能性は高い
どうせ夢の中の話だわ
それで割り切れるのかい?もし、終身刑になって、牢獄に閉じ込められたら、君の人生の半分は失われることになる
半分?夢は覚めたら、終わりよ
半年前まで、僕もそう思っていた。だけど、同じシチュエーションの夢を見ることに気付いてから、夢日記を付けることにしたんだ
わたしも今日から始めたわ
それはいい習慣だ。人は夢の内容はすぐに忘れてしまう。印象に残っている夢以外にはね。夢日記は僕にとてつもないことを教えてくれたんだ
どんなこと?
僕はこの半年間、毎日、あの不思議の国の夢を見ていたんだ
まさか……。でも、言われてみればわたしもそんな気がするわ
あの夢をどのくらい前から見始めたか、覚えているかい?
亜理は首を振った。
ごく最近のような気もするし、何年も前からのような気もする
じゃあ、質問を変えよう
不思議の国以外の夢を何か覚えているかい?
当たり前じゃないの
例えば、どんな夢?
どんな夢って……。えっ?
どんな夢だい?
急に言われても、思い出せないわ
でも、不思議の国の夢はすぐに思い出せる
それは最近見たからだわ
じゃあ、時間をかければ他の夢を思い出せるって言うんだね?
ええ。当然よ
じゃあ、いくらでも待つから思い出してご覧
井森は口を閉ざした。
ありは目を瞑って深呼吸をした。
焦らずに、ゆったりとした気持ちになれば、きっとすぐに思い出せるわ。
三分が経過した。
亜理は眉間に皺を寄せた。
井森は何も言わない。
さらに一分が過ぎた。
亜理はゆっくりと目を開いた。
井森はにやにやと亜理を見ていた。
何よ
思い出したかい?
ど忘れよ。そういうことってあるじゃない
ど忘れで、今までの人生で見た夢を何一つ思い出せないって?
何一つ思い出せない訳じゃないわ
じゃあ、何を思い出せる
……不思議の国……
何だって?
ええ。わたしは今まで一種類の夢しか見たことがないようだわ
信じられないかもしれないが、これから毎日夢日記をつけていれば、どんどん信じられるようになるさ
つまり、あなたはこれから毎晩わたしが牢獄の夢を見るようになるだろうって言うのね
その通りさ
なるほどね。毎晩、寝るのが楽しみになる類の夢じゃないわね
そうだろ。だったら、それを回避するための方法を探さなくっちゃ
でも、夢なんてそんなにはっきり覚えてないんだから、現実に懲役食らうよりははるかにましなんじゃない?
日本の刑務所の方が不思議の国の牢獄よりはるかに待遇がいいと思うけどね
いずれにしても現実のわたしには何の問題もないわ
ふむ
井森はじっと亜理の顔を見詰めた。
顔に何か付いてる?
言うべきかどうか悩んでる
まさか、歯に青海苔とか付いてる?
そうじゃなくて、君の心の強さを推し量っているんだ
あなた、外見だけで、他人の心の強さがわかるの?
わかるかなと思ったんだが、無理そうだ
じゃあ、押しは買っても無駄じゃないの?
そうだね。じゃあ、直接訊くけど、君の心は強い?
そんなのわからないわ。他人の心と較べたことがないんだから
わかった。躊躇していてもしょうがない。今までの調査で、極めて重要なことがわかったんだ
調査?何の調査
世界の調査だ。この世界と不思議の国の両方を調べて、そして少しずつ二つの世界の関係がわかってきた
それだけ聞いたら、病院に行った方がいいんじゃないかと思えてくるわね
どうして?
普通だったら、自分の妄想だと思うでしょ
君も自分の妄想だと思う?
いいえ。もう一人同じ体験をしている人がここにいるから。もっとも、あなた自身がわたしの妄想じゃなかったらね
僕も同じだ。同じ体験をしている人がいたから、妄想でないと信じることができたんだ
わたしが仲間だってわかったのはついさっきでしょ?
いや。そうじゃないんだ。仲間はもう一人いたんだ
何ですって?
亜理は目を見開いた。
なぜ、それを早く言わなかったの?
まず君が本当にアリスかどうか確認したかった
それで誰なの、そのもう一人の仲間って?
王子さんだ
えっ?
王子さんも不思議の国の住人だったんだ
でも、さっき王子さんはただの知り合いだったって
そうだよ。ただの知り合いだ。特に強い友情で結ばれていた訳じゃない
たまたま彼が誰かと話しているのを聞いてしまったんだ。最近変な夢を見るって
不思議の国の夢?
井森は頷いた。
最初は聞き流そうとしたんだ。だけど。どうしても気になった。夢の内容が僕の知っているのとそっくりだったから
偶然だとは思わなかったの?
そう思おうとしたさ。だけど、彼の言葉がとても気になり、それが切っ掛けで夢日記を付けることになったんだ
それで、確信に至ったのね
僕の見ている夢の世界は実在する
そして、王子さんにそのことを言ったのね
最初はとても気味悪がっていた。何かの嫌がらせだと思ったらしい
普通そうだわ。わたしも気味悪かった
だから、僕は提案したんだ。じゃあ、次の夢であなたに話し掛けますよ。その内容を現実世界で確認できれば、それが即ち証拠になるって
その試みは成功したのね
とてつもない驚きだった。だが、事実が明らかになるにつれ、研究者としての興味が湧いてきたんだ。いったいこれはどう言った原理で起きている現象なんだろうかと
わかったの?
いいや。ようやく仮説ができあがりつつあったところだ
どんな仮説?
まだ不完全だ。教えるほどのものじゃない
構わないわ。不完全であっても、何も情報がないよりましだわ
いいだろう
井森は唇を舐めた。
僕はこれらをアーヴァタール現象と呼んでいる
アーヴァタール、何?
インド神話における神の化身のことだ。つまり、実体はあくまで神なのだが、一時的に地上に化身を送ることだ。例えば、ヒンズー教では、釈迦はヴィシュヌ神のアーヴァタールの一つであると考えられている。それと同じように、『不思議の国』という仮想世界に我々のアーヴァタールが存在しているとしたらどうだろうか?
ネット人格とか、ネットゲーム上のキャラみたいなものね。自分自身じゃないけど、限りなく自分を反映した存在
僕はTwitterとかネットゲームとかはやらないんで、よくわからないんだが、その喩えで君が理解しやすいなら、それで構わないよ
その仮想世界は誰が作ったものなの?
皆目見当も付かない。そもそも誰かが作ったのかどうかも判然としない
仮想世界が自然にできたりするものかしら?
絶対にないとは言い切れない
だって、仮想世界の構築には、コンピューターが必要でしょ
人間の脳なら、コンピューターの代わりになる。所謂普通の夢や空想だって、一種の仮想現実と言える
知らない間にわたしたちは誰かの脳にアクセスしてるってこと?
むしろ、我々の脳が相互に接続してネットワークを構成している可能性の方が高いだろうね
どうしてそんなことが起きるの?わたしたちの脳はケーブルで繋がってなんかいないわよ
そこが謎なんだ。なんらかの未知の信号で結び付いているのかもしれないし、案外微弱な電磁信号が鍵かもしれない
これだけ、いろいろな電磁波が飛び交っていたら、脳波なんかまともに届かないでしょ
ノイズの中から意味のある情報を拾い出すのはそれほど複雑な技術じゃない。ただ、人間の脳にそんな機能が備わっているかというと、わからないとしか言いようがない
備わってないでしょ。そんな機能必要ないし。もしあったとしたら、逆に音声でのコミュニケーション手段は発達しなかったと思うわ
井森は肩を竦めた。
さっきも言ったように今は単なる仮説に過ぎない。もちろん、特定の人間の精神を人工的な仮想現実とリンクさせるという陰謀じみた計画が密かに進行している可能性も排除できない
知らない間にわたしたちの脳に何か埋められているとか?
その可能性もある
だったら、犯罪じゃない。警察に行かなくちゃ
そして、『わたしの頭の中に何かが埋めらえているので、犯人を捕まえてください』って言うのかい?
まともに相手にされる訳がないわ。まず証拠よ。レントゲンかエコーで脳の中を調べればいいんじゃないかしら?
その方法もあるね。病院に行って、『とてつもなく頭が痛いから脳の検査をしてください』って言う。そっちの方が現実的だ
じゃあ、今からでも病院に行ってくるわ
亜理は立ち上がった。
ちょっと待ってくれ
何?まだ話があるの?
君に話さなければならない重要なことがあるって言っただろ
今の話じゃないの?
今までの話も充分重要だ。だが、これからする話は今までの話が前提でなおかつ君にとって極めて重要になる
もったいぶらずに早く言って。病院が閉まってしまうわ
もしアリスがハンプティ・ダンプティ殺害の犯人だと断定されたら、どうなるか
さっきも言ったけど、牢獄に閉じ込められるって言うんでしょ
裁判官が女王だったら?
首をちょん切られるかもね。女王は誰かれなしに『首をちょん切っておしまい!』って言うから。でも、実際にちょん切られた人は……
彼らは実際には犯罪者と認定された訳ではなかった。だから、誰も刑を執行する気がなかった。だが、もし殺人犯だったとしたら
アリスは死刑になると言うのね。でも、夢の中……仮想現実の中で死んだとしても、それがなんだというの?ゲームのキャラクターが死んだとしても、誰かに『死んでしまうとは情けない』となじられる程度じゃない
王子さんの不思議の国でのアーヴァタールはハンプティ・ダンプティだった
えっ?
ありは井森の言葉の意味が把握できずにしばらく混乱した。そして、徐々にその言葉の意味するものが理解できると、がたがたと身体が震え始めた。それは自分ではどうしても止められない今まで体験したことのない戦慄だった。
そう。二つの世界の死はリンクしている可能性がある
その場合、アリスの死刑は現実世界の君の死を意味する
いいねして作者を応援しましょう!
続きはまだありません
アプリなら
お気に入り作品の更新をPush通知で受け取ることができます!
この小説を読んだ方は、こちらの小説も読んでいます
- ノンジャンル
性癖歪んでても愛は歪んでないんです
🐶×🐰 sub 🐺🐷🐰×🐿 🥟×🦊×🐥
favorite 8,322grade 2,159update 4日前 - ノンジャンル
スキズ短編集(🔞あり)
リクエスト受け付け再開しました✨ 373話でのみリクエスト受け付けてますので よろしくお願いいたします! その他では受け付けてませんので ご了承ください! スキズのBL短編集♡ 短編集という名のたまに長編集です! ちょくちょく主が語ってます✨ 離婚危機ペンですがいろんなケミに挑戦します! メンバー、ケミ偏りあります(離婚危機多め) お気軽に⭐❤️💬してください♡
favorite 53,801grade 3,234update 1日前 - ノンジャンル
ステルラ・ラピス
夜空に光る流れ星に願い事をすれば叶う、なんて絵空事はどこの誰が言い始めたのか。 流れ星という名の災いを”星玉の欠片”と呼び、その存在を忌み嫌う者。 そして星玉と呼ばれる星々の集合体であるそれの光を力の源にし不思議な力を扱うことのできる人間。 _____人々は彼らを、魔法使いと呼んだ。
favorite 1,729grade 578update 3日前 - 恋愛
美しい王子は敵国の王に身を捧げる
hj × fl (主はヒョンリクスはですが、 fl右で他メンとの行為も含みます)
favorite 229grade 290update 2024/06/18 - ホラー
Cover me .
달이 이렇게 눈부시는 밤엔 ... 月がこんなに眩しい夜には…
favorite 588grade 136update 2日前
コンテスト受賞作品
もっと見るONE N’ ONLYオーディオドラマ原案コラボコンテスト
公式TikTokの注目動画
もっと見るチャレンジ小説
もっと見る- ノンジャンル
だって、僕は神様だから
子供を拾った 紅い目をした不思議な子を 惹かれ合う運命共同体 離れては生きれない 『ホンモノの神様』とは何だろうか アイコン:「ためいきメーカー」「メンズ」 表紙:「シルエットメーカー」
- 恋愛
恋せよ、テレパスガール!
高校二年生の澪には、決して誰にも言えない秘密があった。それは人の心が読めてしまうということ。中学の頃、そのことが原因で仲間外れにされた経験を持つ澪。だから高校では友達の心と空気を読んで、周りに気を遣いながら大人しく過ごしている。そんなある日、澪は不良として有名なクラスメイト・風間とぶつかってしまう。揺れる彼の短い金髪。すくみ上がる澪に聞こえてきた、彼の“心”の声はーー 『ヤバ……。白坂さん、今日も可愛すぎる……』 ……え? 心を読んでしまったことで近づく、二人の恋の物語。
- 恋愛
あの恋の続きは夢のなかで
雨も風もない、静かな夜に 必ず"1年前の日常"の夢を見てしまう 高1ピアニスト浪川 和佳。 ・ 夢のなかには、かつて"ベストコンビ"だった 隼の姿があった____。 ・ 夢のなかで和佳が見つけた、 終わった恋に隠された隼の衝撃の真実とは。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。