お昼になった為席を立ち、三人分の弁当を持って廊下へ出て早めに歩く。
確か今日はとても人気なパンが購買にあったはず。
多分今日は一段と人が多いだろう。
席を三人分獲得する急いでいると、肩を叩かれた。
なんて言われた。
なんだっけ、これ
そう思いながら却下するが、手をグイッと引かれて抵抗出来なかった。
矢張り三年生というのもあるのか少々圧はあり、大分強く握られた手が緩んだ。
離していいのか分からなかったけれど、ヴィル先輩に言われた為離す。
痛いでしょ?と聞かれたけれど、あまり感じなかった。
今ここでは当たり前のことを口にされて、少し戸惑う。
少し呆れたような目で「分かってない…」と言わんばかりに見つめられながら
こんな一言を言われた。
"……気を付けなさいよ、アンタ。"
その言葉の意味はあまりよく分かんないけれど
…取り敢えず…警戒しろ、ってことかな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!