あなたが病気で入院していたことをついに知られることはなかったけど、こういった事はどこかから漏れ、すぐにニュースになった。
引退会見をした日のようにワイドショーがあなたの事についての内容でいっぱいになる。
あの時もそうやったけど、またマスコミ等からあなたについて聞かれるようになった。
あなたがどんな思いでおったかも知らんくせに、分かろうともせんくせに人の不幸事を聞き出そうとする記者たちに答えるつもりはなかった。
あなたが最後に自分を犠牲にしてでも挑んだあの映画の舞台挨拶の時に監督さんや関係者さんに許可を頂いてあなたのことを話すことに決めていた。
もちろんご家族にも許可をもらって。
舞台挨拶が始まる直前、一緒に登壇する廉くんが「頑張ろうな」って言ってくれて…詳しく話してはないけど多分察してくれたんやと思う。
あなた、俺がちゃんと話せるように力貸してくれへん?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。