第2話

1 記憶
9,569
2022/08/21 15:28
私は時々、不思議な夢を見る。
まるで自分の記憶のような。
生き物でも機械でもないものと戦っている夢。
色んな人たちと笑顔で話している夢。
轟(なまえ)
轟あなた
…またこの夢。
轟(なまえ)
轟あなた
懐かしい……気がする。
そして、ふと思った。
轟(なまえ)
轟あなた
あれ。私の"個性"と似てる?
私は、夢の通りに"剣"を出してみた
すっ……
轟(なまえ)
轟あなた
!?
轟(なまえ)
轟あなた
だせた…
轟(なまえ)
轟あなた
これ…これだ!私がずっと心のどこかで思っていたこと。
轟(なまえ)
轟あなた
私の個性はキューブじゃない。
……
轟(なまえ)
轟あなた
え?どういうこと…だ?
自分で言いながら何言ってるか分からなかった。
轟(なまえ)
轟あなた
ふっ…なんかおかしいや。
学校へ行く。クラスで目立つ方ではない。
モブ
あなたちゃんって、焦凍君の妹なんだよね?
でも、兄や父の事で話しかけてくる人も居る。
轟(なまえ)
轟あなた
そうだよ…
クラスの子へ向かってそう微笑みかける。

私は突然変異で産まれた個性。でも、気に入っている。
私の個性が"コレ"である限り、私で居られる気がする。
学校が終わって、日課のランニングへ行く。
轟(なまえ)
轟あなた
ふっふっ……
轟(なまえ)
轟あなた
たまには違うところ行ってみるか。
轟(なまえ)
轟あなた
……あれ。ここ、来たことあったっけ?
しばらく走っていると『三門市』と呼ばれる隣町まで来ていた。
轟(なまえ)
轟あなた
…来たことある。気がする。あれ。来たことないよな?
轟(なまえ)
轟あなた
…知ってる。ここ曲がると確か……
直感に従って進んでいく。
すると
『危険区域』
この先、関係者以外立ち入り禁止
轟(なまえ)
轟あなた
危険区域。の中に大きな建物?
━━━━━━━━━━━━━━━
___さん!今日も____……
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轟(なまえ)
轟あなた
っ!?
━━━━━━━━━━━━━━━
おいおい!___!任務放棄すんな!
すみません!______さん……
━━━━━━━━━━━━━━━
轟(なまえ)
轟あなた
えっ…?
見える……何か。頭の中に…声が入ってくる……____。
轟(なまえ)
轟あなた
なに……これ。デジャブ?
クソっ!クソ!もう誰も……死なせない!
真波(なまえ)
真波あなた
もう誰も!殺させない!
ダッ
轟(なまえ)
轟あなた
知ってる。知ってる!
轟(なまえ)
轟あなた
わかる……この先に。『私の居場所』がある!
轟(なまえ)
轟あなた
そうだよ。真波あなた。それは私の名前だ。夢で見ていたことは私の記憶だよ。
轟(なまえ)
轟あなた
個性だって、トリガーじゃないか。
轟(なまえ)
轟あなた
なんで今まで気づかなかったんだろう。
轟(なまえ)
轟あなた
ツイてるのか、ツイてないのか……いや、どっちかと言えばツイてるよ。
轟(なまえ)
轟あなた
本部にきっと。私の『黒トリガー』がある。
轟(なまえ)
轟あなた
行こう。大丈夫。ちゃんと覚えてる。
轟(なまえ)
轟あなた
私は、ボーダー隊員。S級の
『真波あなた』だ。

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