翌朝
宿舎のキッチンには、コーヒーの香りが広がっていた
みんなが楽しそうに話す中、ジュンソはスマホの画面を見つめていた
そこには昨日予約した病院の時間
『午前10時30分 診察』
声をかけたのはシンロンだった
ジュンソは慌ててスマホを伏せる
そう笑うジュンソだったが、その笑顔はどこかぎこちなかった
朝食を終えたあと
誰にも心配をかけないように、いつも通りの笑顔で宿舎を出た
ドアが閉まる
その瞬間、笑顔は消えた
静かに息を吐き、一人で病院へ向かう
病院
受付を済ませると、番号札を受け取り待合室の椅子へ座る
周りには子どもからお年寄りまで、たくさんの患者がいた
テレビは流れているのに、ジュンソには何も聞こえない
スマホを見る
グループチャットには次々と通知が届く
思わず笑みがこぼれる
その時
「31番の方、診察室へどうぞ。」
名前を呼ばれ、ゆっくり立ち上がる
診察室
医師はカルテを見ながら優しく話し始めた
ジュンソは少し考えてから答える
医師は静かにうなずく
ジュンソは小さくうなずいた
数時間後
検査は終わった
採血、CT検査
思っていたより時間がかかった
病院を出る頃には、空は少し曇り始めていた
医師からは一言だけ告げられる
その言葉が、胸に重くのしかかる
事務所へ戻ると、ちょうど撮影の準備が始まっていた
勢いよく駆け寄ってくる
ジュンソは少し驚く
その言葉に、一瞬だけ心臓が大きく鳴る
優しく笑って答える
でも、アルノはどこか納得できない表情を浮かべていた
撮影終了後
宿舎へ戻る車の中
メンバーは楽しそうに今日の出来事を話している
その隣でジュンソは、窓の外を静かに見つめていた
そう願いながら、そっと目を閉じる
しかし数日後、その願いは残酷な形で打ち砕かれることを、この時のジュンソはまだ知らなかった
たくさんの方に読んでいただけると嬉しいです!




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!