お昼。
私はお昼休憩にお弁当 片手に、ある患者の病室を目指す
その病室にノックして入ると、ベットに座る患者がいる
満面の笑顔でそう言う
私の言葉フル無視で進める患者に「10分 」とこちらもフル無視する
そう言うと「 引っかかれよっ、」と喚く
あぁ、またやらかした
「 大丈夫?」なんて聞いたって、「 大丈夫 」って返されるに決まってるのに。
ケロっと笑ってそう言う
ワガママ、というのは一緒にお昼を食べることだろうか。
「 貴方が今日にでも死ぬからだよ 」
そんなこと言えるわけなかった。
自信満々に言いながらも、やっぱり作り笑いをする
ていうか、一番わかってるなら病気の治し方教えてよ
そんなこと言ったって、多分知らないし、教えてはくれないだろう。
想像したくもない「もしも」だ。
まだ死んでもないのにそんなこと言わないで欲しい。
私の仕事が減る、
他の仕事が入る、
話せなくなる、
会えなくなる、
あ、あとなんとなく、
さみしいかもな。
こんな会話、病院でやるには不謹慎がすぎる。
しかも医者と患者がこの会話をするなんて。
あなたが言うと、冗談に聞こえない。
あなたは今、この瞬間ぽっくり逝ってもおかしくない。
でも、そう言う。
死んじゃ勿体ないなんて、
それはあなたも大概では?
そんなことを胸の内にしまって、
「 ごちそうさま 」と手を合わせる
「 早くない?」と言われるも、時計を見ると既に20分経っていた。
次の患者さんの所へ行くのはあと数分後にまで迫っている
その言葉に「 はいはい 」と返事し、病室を出ていく
あの人が死にませんように。
生きていられますように。
そんな願いをして。
でも、
” 神様はそんなに優しくないみたいです ”













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!