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第1話

Prolog
21
2026/02/27 09:00 更新
目がチカチカする程眩しいライトに、画面越しでもわかる大音量。画面の真ん中では、綺麗に着飾ったアイドルが歌い踊っている。
所謂、アイドルのライブというやつだ。大画面の目の前に座る少年は制服を着たまま、心底興味がなさそうにぼーっと画面の中央を眺めていた。

きっと、そんな興味のない映像を見ているのも、家に人がいないからだろう。この時間は大抵情報番組しかやっていないので、それよりはマシなのかもしれない。
すると、徐に少年の目がはっと見開かれた。

空色の目には、一人のアイドルがはっきりと映っている。可愛らしい衣装を身にまとった男性だった。ミルクティーベージュの髪に、とろんと垂れた目元。彼はステージの光を存分に浴びて、キラキラと輝いていた。
彼の一挙手一投足に、少年は釘付けだった。可愛らしい歌に可愛らしいダンス。しかし、指の先まで意識が宿っている。軽快なのに、どこか引き込まれる。
少年の目は、きらきらと輝いていた。ソファに豪快にもたれかかっていた上体は起こされる。





少年が「夢」を追いかけ始めたのは、この日だった。

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