放送「夜行祭開始です!」
外部ステージにバンド部が立ってステージを始めた。
俺はステージの方を見向きもせずに、周りを見渡す。
らむはどこだろう。
澪「おい兎原」
杏子「なんだ猫宮」
兎原は眉間にシワをよせる。
澪「らむはどこだ」
杏子「あ、教室いった、スマホ忘れたーって」
兎原はそう言ってニヤつく。
杏子「そんな必死に探しちゃって」
澪「好きだから」
俺はそう言って兎原とわかれる。
校内に入ると生徒は誰もいなくて、静かだった。
少し怖いくらい。、
早歩きで教室に向かう。
るる「澪先輩!」
振り返るとるるちゃんがいた。
後をつけてきた?
もう、俺を諦めてよ。
俺はらむのところに行きたいのに。
澪「るるちゃん、」
るる「はい」
るるちゃんは明るく笑う。
澪「もうやめて欲しい」
つい、本音を言ってしまった。
シーンと静かになる。
るる「何を、ですか?」
るるちゃんは下を向く。
ハッキリ言おう。
澪「もう諦めてほしい、俺はらむが好きなんだ」
るる「私は邪魔者ですか?」
るるちゃんは涙を流す。
るる「私はただ、澪先輩が好きで、」
るる「振り向いてもらいたくて頑張ってるだけなのに」
るる「私の気持ちは迷惑みたいに、」
俺は少し黙る。
こんなに傷つけていたんだ。
今になって実感する。
澪「ごめん、」
澪「迷惑そうに見えてしまったなら、ごめん、俺が悪いよ」
るる「らむ先輩とたまたま被っただけで、」
被った?
なにを。
るる「らむ先輩に負けたくなくて、頑張っても、澪先輩はらむ先輩が好きで、」
るる「2人は両思いで、」
両思い?
るる「らむ先輩は飛鳥先輩もいるのに、ずるいよぉ」
るるちゃんはわーんと泣き出す。
俺はどうしたらいい。
もうわからない。
何を間違えたんだろう。
らむside
あった。
私はスマホをポッケに入れてみんなのところに戻ろうと教室を出る。
話し声が聞こえる。
誰かいる?
近づくとるるちゃんと猫宮がいた。
るる「私はただ、澪先輩が好きで、」
るる「振り向いてもらいたくて頑張ってるだけなのに」
るる「私の気持ちは迷惑みたいに、」
るるちゃんは涙を流している。
聞いてしまった。
猫宮とるるちゃんの話。
私は2人から離れる。
るるちゃん、泣いてた。
私、傷つけてる。
息を切らしながら走る。
涙が出てくる。
るるちゃんはあんなに好きなのに。
私のせいで。
私がフラフラしてるから。
一途に想っているのはるるちゃん。
私は、るるちゃんに負けてる。
猫宮が好きなのに、好きと笑って言えない。
辛い。
苦しい。
わからない。
私がすべきことも。
猫宮への気持ちをどうすればいいのかも。
ドンッ
らむ「あ、」
飛鳥「らむちゃん」
飛鳥くんは目を丸くする。
飛鳥「また泣いて、どうしたの」
飛鳥くんは眉毛をさげて言う。
私、飛鳥くんの前で泣いてばっかだな。
らむ「なんでも、ない」
私は顔を隠す。
飛鳥「また澪とるるちゃん」
飛鳥「そうでしょ?」
私は口をつむぐ。
黙っていると飛鳥くんからぎゅっと抱きしめられた。
飛鳥「もう、俺にしてよ」
私は飛鳥くんから離れる。
らむ「へ、」
飛鳥「らむちゃんが好き」
飛鳥くんは悲しげに言う。
私は、黙ってしまう。
どうしよう。
猫宮と、るるちゃんの顔をが浮かぶ。
飛鳥くんと付き合ったら、誰も傷つかないのかな。
らむ「あ、あの」
らむ「少し考えさせて、ください」











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!