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第5話

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2023/05/03 13:44 更新
もう、スマホを見る事が出来なくなった。

みさとの写真を見る。彼女は真っ直ぐで素直で、明るい笑顔で俺を幸せにしてくれたなぁ。

なのに、なんで俺は彼女の誹謗中傷に気が付かなかったのだろう。もっと早くに気づいていれば、彼女は死なずに俺と幸せに暮らしていたはず。

いっそのこと、結婚だってできた。

みさと、ごめん。俺、この世界で生きられるような自身なんて無くなっちまった。

鏡に映る俺は、今までで一番情けなかった。

心の傷跡が消えない。

復讐は、失敗した。

最悪、最低な男だ。

こんな姿をみさとは上から見てるとしたら、彼女はなんていうんだろう。きっと、フラれている。

最後の缶ビールを渋々と味わった。

…また変な復讐心がついてしまった。今度は酔いが強く、気づけば缶スプレーを持って、よろけながら家から飛び出し、路地裏へと歩いていった。

これが、裏に潜む俺だ。

俺が汚したはずの場は、すっかり元のしんとした静かな路地裏に戻っていた。

また、もう一度。


今度は誰もいない。

止める奴もいない。

携帯もならない。

最期で、暴れて終わらせよう。



目を覚ますと、赤く光る灯りが複数個見えた。
サイレンがずーんと頭に響いてきた。
懐中電灯が、俺に当てられる。

警察だ。

ごめん。みさと。悪い奴は俺だ。
多分お前は天国に行って、俺は地獄行きだ。
もう、いっそのこと俺を振ってくれ。


その光に晒されて、俺は力を無くした。
ようやく全てを、受け入れられた。

俺には日本の心臓部、東京には似合わなかった。


彼女との思い出も、俺が暴れた記憶も。


全て、名残惜しい。










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