第2話

二話:甘い麻薬と、開かない箱
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2026/01/20 08:11 更新



処刑当日


夜明け前の静寂を破り、司くんが再び牢獄に訪れた


その後ろには、盆に乗せられた紅茶



朱桜 司
朱桜 司
⋯⋯最後です。喉を潤してください




司くんは自らの手で、格子越しにカップを差し出した


一口飲んだ瞬間


私はその『不自然さ』に驚いた





『甘すぎる』








あなた
司くん⋯これ、すごく甘いわ
朱桜 司
朱桜 司
⋯⋯貴方の最後が苦い思い出ばかりでは、寝覚めが悪いですから。
朱桜 司
朱桜 司
全部、飲んでください



飲み終えると、彼は私の手からカップを奪うように回収し、


代わりに私の耳元に顔を寄せた







朱桜 司
朱桜 司
⋯銀の箱は、まだ開けていないのでしょう?
鍵穴のない箱を開ける方法は、たった一つです
朱桜 司
朱桜 司
『朱桜が散る時』⋯それまでは、決して手放してはなりません



あなた
朱桜が、散る時⋯⋯?




聞き返そうとした瞬間、急激な眠気が私を襲った


視界が揺れ、立っていられなくなる


崩れ落ちる私を、格子の隙間から、


司くんが強く支えた




朱桜 司
朱桜 司
⋯⋯『愛しています』。
だから、貴方を殺し、貴方を汚したこの世界を、私は一生恨み続けます



























司くんの言う『恨む』は、私への憎しみではなく、











































































『 私を守れなかった自分自身と、この運命への呪詛 』だったのだと


朦朧とする意識の中で、悟った



























兵士たちの足音が近づく







司くんの霊的な声が、響き



私の意識は完全に闇へと落ちていった


































































目が覚めた時、私は揺れる馬車の中にいた



そこには司くんの姿はなく、隣には見知らぬ男が一人






























































月永 レオ
月永 レオ
――スオ〜は、おまえの死を『偽装』したんだ

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