―――No Side グリーフの屋敷
ドミナは、あなたとドゥウムの戦いを目で追えずにいた
先刻、ドゥウムは「二割からだ」と宣言していた。あなたはその言葉に返事をしていなかった。始まろうとしている激戦に備えていたのだ……
流れるような動きで大剣を振るドゥウムに、圧倒される。一方、武器を切り替えながら、ドゥウムの力に合わせて立ち回り、戦うあなたはというと、間違いなく今ドゥウムを倒すことは不可能であると感じ取っていた
互いの刃がぶつかる度、衝撃波が発生する。繰り広げられる精鋭同士の戦いに、ドミナは目が奪われていた
刃が弾き合い、二人は一時後退して止まる
その瞬間、ドゥウムはあなたの視界から消えた
あなたは辺りを見回すことはしなかった。彼の魔力を感覚で追っていた
そして、勢いよく自身の背後に向かって大鎌を振り上げる
ドゥウムはそこで既に大剣を構えていた。再び刃がぶつかる
あなたは大鎌から片手を離し、もう一本大鎌を手元に生み出した
ドゥウムの首目がけて振った
ドゥウムは指先でであなたの刃を掴んでいた。あなたがいくら動かしてもビクともしない
ドゥウムのパワーもスピードも、共に跳ね上がっていた
あなたは一瞬顔を顰めて、掴まれた方の大鎌を消し、ドゥウムを蹴り飛ばした
そして、あなたの目はあの大剣にいっていた
次はあなたが一気にドゥウムに接近した。ドゥウムの一振を空中で身を翻して躱し、小ぶりな短剣を生み出し、その勢いのまま大剣に突き刺した
あなたの想像より大剣は遥かに硬く、なかなか貫くことができない。ドゥウムの拳が飛んでくるほうがはやかった
咄嗟に盾を生み出すも、威力を殺すことはできず、短剣から手が離れて飛ばされる
ドゥウムはヒビが入った大剣を見ていた
ドゥウムが大剣を構えた。体からビキビキという音が聞こえる
次にあなたの目に映ったのは、ドゥウムが十数メートル先で構えている姿ではなく、あなたに向かって大剣を振り上げている姿だった
やばい、と直感したあなたは、素早くドゥウムの影に入りこみ、後ろに回り込む
あなたはもう一度、ドゥウムの首を狙って大鎌を振るった
次の瞬間、あなたの右肩からみぞおち辺りまでがドゥウムの大剣によって裂かれていた
あなたは理解が追いつかなかった。自らの口と傷口からふき出す血を認識して、素早く後退する
傷口をおさえた。咳き込む度に、血が口からも溢れる
ドゥウムは大剣を肩に担いで、あなたを見下ろした
あなたはその言葉を聞いて、また顔を顰めた。傷口をおさえる手に魔力を集中させて、闇の力で自己回復を進めている
あなたは一人、呟いた―――













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!