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第1話

#1-1 「1つ目のお願い」
959
2019/07/07 03:42
○○
○○
あ、やっと帰ってきた〜


ドアを開けると、スマホから顔を上げてこちらに向かってくる。
彼にしては珍しい。
いつもならもっと素っ気ない返事をするだけなのに。

「どうしたの、?」
○○
○○
お金ちょうだい。今日給料日でしょ?




「....こないだ上げたばっかりじゃん、。」
○○
○○
もう使っちゃったし。
いいから早く、ほら。



そういって私に手を差し出す。


....いつものことだ。
私は諦めの溜息を吐いて財布からお金を取り出し彼に渡した。




○○
○○
ありがとう。

...1,2...3....これだけ?少なくない?



「....少なくない」
○○
○○
なに?もしかしてなんかに使ったの?



「................」

思わず彼から顔を逸らす。





○○
○○
ねーえ。顔そらさないで、こっち向いて。
○○
○○
ほらぎゅーしよ?



「え、?」


そういって彼は私を優しく包み込む。



○○
○○
....何に使っちゃったの?お金。

「....今日友達と出掛けて、ランチしてそれで服とかいろいろかったから....、」


○○
○○
そっかー。
それで今日帰りも遅かったんだ。
○○
○○
....クソ。





「....え、?」

彼は耳元でそう呟くと私の溝落ちを殴った。


「....っっっはっ、、」

気持ち悪い。上手く呼吸ができない。
視界が霞んで涙が出ていることに気づく。




「....っはあ、、はぁ、....なに、するの....」
息を整えながら言葉を発しているうちにも涙は止まらない。










……To be continued

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