あぁ───、はっきり思い出した。
これは11年前、わたしが5歳のときのこと。
ある日、保育園で喘息を起こし病院へ行き一度家へ戻ったが
酷い喘息が続いて起き、入院したときの記憶だ。
走ったり、動いたりすると
喘息が起きるため車椅子に乗っていたのだろう。
・・・・・
ある男の子が打ったスパイクを、昔の自分が、目を輝かせて見ている
このときのわたしは、バレーを一緒にしたい、と思っているのだろうか─?
羨ましい、と思っているのだろうか─?
あれ――――?
どこかで聞いたっけ??
思い出せない。
わたしの大事な人? 知人? それとも他人?
これは本当に記憶であっているのか───?
全てがあいまいになっていく。
流れ弾、ぶつかる───!!
ありがとう、って伝えられてないんだ。
本当に昔の記憶ならば、伝えなきゃいけない。あの男の子に。
急に場所が変わった。
どこだろう──?
あ─────
────────死ね。
その1言が
どれだけ苦しかっただろう。
突っ立ってないで言い返せばいいのに、そう思う、
多分、昔のわたしに───。
記憶から覚めることがてきない。
苦しい
辛い
助けて
過去を見つめながら、心の中で呪文のように繰り返された。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!