私の今の雰囲気にはそぐわない
明るく、大きな声が屋上に響いた。
屋上には私と彼以外誰もいない。
その声は私に向けられたものだろう。
また、邪魔されてしまった。
私が立っているのはフェンスを超え、
今すぐにでも飛び降りることの
できる場所。
そう、もうすぐで死ねる場所。
川に潜っても死ねない。
毒にやられても死ねない。
じゃあ、次は飛び降りる。
ただ、私は人前では死にたくないんだ。
人の記憶に私の自殺姿が残って
しまっては見た人の一生の傷になる。
私は静かに誰にも見られずに死にたい。
会って間もない人になんで
偉そうに語ってるんだろう。
私は心底不思議に思った。
まるで私とは真逆。
太陽と月のような存在みたい。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!