『ほら、あれ』
「あーわかんない、どれ?」
「全部一緒にしか見えない」
『あそこにさ、1つだけオレンジっぽい星あるじゃん』
彼女が指さすところに見えるのは他の青白い星とは正反対な温かみのある絵に描いたような星。
「ああ、あるな」
『あれが ”ポルックス” 』
「変な名前」
『黙れ』
「はいはい」
『それでなんだかんだあって双子に見えるわけ!』
「何だかんだってなんだよ」
『ともかく、あれが双子座』
「今日はお前の誕生日なのにな」
1月10日、パーティーを抜け出して見たのは
山羊座ではなく双子座だった。
『うん、自分の誕生日の星座は見えないの』
「へぇー」
「本当に好きなんだな、星」
『うん』
「何が好きとかあんの」
『蠍座』
「へぇー」
「じゃあ」
「子供の名前、それにするか」
それって,,,と顔を赤らめる彼女はいつもに増して愛らしかった。
「あなたの下の名前・あなたの名字、出会った時からずっと好きでした。それはこれからも変わりません。」
「卒業したら」
「__結婚してくれ」
黒いケースから星に照らされ輝く指輪を
そっと小指につける,,,
『ずっと、一緒だからね!』
あの日ほど幸せな日が他にあっただろうか。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。