第99話

96. 精神の揺れ
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2026/03/13 09:00 更新







私はとりあえず悠晴を近くの公園に連れていき、そこにあった多目的トイレに入った。








静間 悠晴
ぅ…
神尾 あなた
大丈夫?










気持ち悪そうにしている悠晴は大人しく便器に向き合い、私はしんどそうにしている彼の背中をさする。








静間 悠晴
うぇ… 吐けねぇ…
神尾 あなた
吐けない?
神尾 あなた
うーん…
神尾 あなた
神尾 あなた
ごめん悠晴、今だけは許して










私は悠晴に有無を言わせず、吐かせるために口の中に指を突っ込んだ。






グッ…!









静間 悠晴
ぁが…ッ、!?ゔ…っ
神尾 あなた
もうちょっと我慢だよ
静間 悠晴
んぁ"…ッ、










悠晴は私の手を掴み、苦しそうにしながら目に涙を溜めた。








静間 悠晴
ちょ、ゃ" え…ッ
神尾 あなた
吐きたいなら我慢だって







ググッ…






静間 悠晴
ん" ッ、…っえ" ぅ…
静間 悠晴
げほっ… ゔ…っ!










涙とよだれを垂らした悠晴は、口から私の手を引っこ抜いた。






すぐに便器に顔を近づけ、苦しそうにしながら胃の中のものを吐き出した。








静間 悠晴
っは、…おぇ…ッ!
神尾 あなた
大丈夫、大丈夫だよ
静間 悠晴
ぅ、はぁっ…










背中をさすりながら、ひたすら吐き出す悠晴を見守った。








神尾 あなた
はいはい、もう落ち着いたならちゃんと口ゆすいで
静間 悠晴
……ん










口をゆすぎ終えてから、悠晴はフラリと私の肩に顔を埋めた。








静間 悠晴
…ふぅ…
神尾 あなた
無事吐けて良かったね
静間 悠晴
……わり、たすかった…


神尾 あなた
なんであんなに飲んだの?
神尾 あなた
まぁ飲まされたらしいけど…
静間 悠晴
…最初は、飲むつもりなかった
静間 悠晴
でも、ちょっと飲んだら… なんか、色々と…
神尾 あなた
あー…なるほど、しんどくなっちゃったのね










私は多目的トイレの外で悠晴を抱きしめるように背中をさすり、片手で頭を撫でた。






ふわふわとした髪の毛を手で撫でるのは悪くない。









神尾 あなた
…(ナデナデ
静間 悠晴
静間 悠晴
…はぁ…これからも相談、依頼…
ましてや警察の手伝いも…
静間 悠晴
それに、近所付き合いとか…人を助けないといけないっていうプレッシャーとか…










悠晴はか細い声でブツブツと呟いた。






声を出し切った頃、悠晴は私の肩に頭をグリグリと押し付けてきた。








静間 悠晴
……重い…
神尾 あなた
神尾 あなた
…溜まっちゃったかぁ〜…悠晴ってあまり弱音吐かないからね
神尾 あなた
お酒飲んだらダメになっちゃったんだね
神尾 あなた
…今は楽にしてていいよ
神尾 あなた
お酒も回って、だいぶしんどいでしょう?
静間 悠晴
……うん…







グリグリ…






神尾 あなた
ちょw 痛い痛いw










悠晴は中々人に弱っているところを見せない。






でも、たまに見せてくれるこういうところは嫌いではない。








神尾 あなた
…悠晴、肩貸してあげるからそろそろ帰ろ?
神尾 あなた
ともりちゃんも颯太も待ってるからさ
静間 悠晴
…ん、










今にも寝てしまいそうな悠晴を支え、ゆっくりと相談所へ向かった。








静間 悠晴
…、
神尾 あなた
!?体重かけんな…!
静間 悠晴
神尾 あなた
…?なに?何か言いたいことでもあるの?
静間 悠晴
……その、結局、酒… 飲んでごめん…
神尾 あなた
…なんで悠晴が謝るのさ
静間 悠晴
だって、あなたに…迷惑かけてるし…
神尾 あなた
神尾 あなた
そんなん気にしないでよ
神尾 あなた
こーゆー時は素直に頼ってほしいよ
神尾 あなた
ていうか悠晴も少しは人に頼ることを覚えろ(デコピンッ
静間 悠晴
う…
静間 悠晴
……せんきゅ…










弱みを見せられる唯一の相手

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