あいつがいなくなって、僕は何事にもやる気が起きなくて…
好きな勉強も手がつかなくて、気晴らしに外に出た
ガヤガヤ
いつもの道には何故か人が多くて、静かなところを探していると海の見える崖に出た
そこには小さな図書館のような見た目の建物があった
何を思うでもなく、近づくと前には小さく、
『代筆屋 言ノ葉』
と書かれた看板があった
あまり見ない単語に少し驚いたけど、興味も湧いた
扉に半歩近づいたときだった
ガチャッ
大人っぽい…20代だろうか?の女の人と僕より少し背の小さい女の子が出てきた
ふいにそう聞かれとっさに返事してしまう
後ろを向き、そう言う。「言ノ葉」という人に中にいるんだろうか
女の子がそう言い、女の人が中にはいるように僕を促したため、僕は流されるように中に入った
長身のサングラスのかけた長髪の男の人がキッチンらしきほうへ行き、コップを2つ持ってくる
いる……
いや、正しくは"いた"…かなぁ…
もう……届かない相手……
ふと、涙のことを思い出した
あの明るい声で僕の名前を呼ぶ、涙の声
もう二度と聞くこともできないッ……
気づくと僕は涙を流していた
その言葉に僕はまた涙が溢れる
ふいにそんな言葉が出てくる
もう会えないのに
もう二度と話せないのに
さっき流しきったはずの涙がまた溢れだす
______拝啓 雨宮 涙様へ
ごめんね、涙。
気づけなくてごめん
またいつか一緒に出かけようね
今までありがと
大好きだよ
親友
神楽 小鳥より______
僕はまた、歩き出す
けど、涙は決して置いていかない
ここにちゃんといる















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。