Part ↺ グサオ
控えめに、静かに扉が開かれた。
そのまま上品な仕草で " その人 " が入ってくる。
優しげなグレーの長髪に青い瞳を持った、
"" 少女 "" 。
どう見ても今の私やヒナちゃんと同年代だ。
" ミゾレ " と呼ばれたその少女は、眉尻を下げて頷いた。
「 はい。ミゾレと申します 」と丁寧なお辞儀をされた。
…なんか、大人しそうな子だな。
……慣れない。子供に敬語使うとかほんと慣れない。
子供と話すのは好きなんだけど…違和感が凄い。
まあ今の私は平民の9歳だし、
ミゾレさんは所作が綺麗だから貴族の9歳だろうし、
身分制度というものがありますからねえ…致し方ない。
貧乏な孤児院に魔法庁の人間を割きたくない、
おそらくそういうことだろう。
そしてそれをきっと、ミゾレという少女は理解している。
……へえ。年の割には聡いらしい。
突然手を握られ、二人一緒に腕を挙げ(させられ)た。
意外と力が強いんだよね、ヒナちゃんって。
お願いしますガチギレたりしないで下さい。
いやまあ、ミゾレさんの性格上問題なさそうではある。
けど…万が一というのがある。
ガチギレられたら口封じなどなどの処理とか、
ほんっとに面倒な作業をやらないといけなくなる。
絶対嫌だ。平穏に終わって下さいお願いします。
なんとなく " わかる " 。
どれだけ能力が落ちぶれようと経験は消えない。
ミゾレさんの階級は多分C辺り。
9歳でCとなるとそれなりの優等生ってところかな。
まあ今の時代の平均がどんなものか知らないけどね?
ま、ヒナちゃんの階級もなんとなく察してはいるけど、
今色々考えてたら面白くないし深くは考えない。
魔適検が終わったあとの報告で答え合わせをしよう。
とにかく。階級CとEじゃ雲泥の差がある。
絶対に勝てる訳がない。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。