第10話

8話
54
2025/03/31 14:00 更新
作業をしていると、隣りのデスクのヒトが私へ声をかけてきた。
ヨン
ヨン
ねぇ〜君!すごいね!
(なまえ)
あなた
何がですか?
ヨン
ヨン
だって、初めてなのに。こんなに早く大量に仕事を終わらせるなんて〜♫♪
ヨン
ヨン
神の寵愛を受けた理由も、分かった気がするよ〜♫♪
ヨン
ヨン
……ヒッ、、ぁぁ、いや。なんでもないよ。
彼はビクリと震える。視線の先には、キューがいた。彼女はこちらを睨めつけている。

ーー完全に嫌われたようだ。
ヨン
ヨン
えっ、えっと……仕事頑張ってね?
(なまえ)
あなた
そちらも頑張って下さい。
(なまえ)
あなた
さっきから、書類が1枚も減ってませんよ?
ヨン
ヨン
いやぁ〜あははっ。僕、ヨンって言うだけど、どうにも仕事が苦手で……
(なまえ)
あなた
………見せて下さい。
ヨン
ヨン
え?
私はヨンの手元に置かれている書類をヒョイと取って、目を通す。

ーーあぁ、なるほど。
(なまえ)
あなた
始めのここ、計算が間違ってます。
(なまえ)
あなた
この合計に合わせて計算しても、永遠に数値が合いませんよ?
ヨン
ヨン
えっ!?………………ほ、本当だぁ、、
ヨンは、書類をもったままフルフルと震えて、サッと顔を青ざめた。
ヨン
ヨン
ど、どうしよう。これやり直してたら、日が暮れちゃうよ……!
(なまえ)
あなた
……もしかして、この書類を放置して他の書類に手を付けたんですか?
ヨン
ヨン
……うん、まさか合計が間違ってるとは思わなくて…
ヨン
ヨン
この合計を元に、他の書類を全部書いちゃったよ……
(なまえ)
あなた
アホですね。
ヨン
ヨン
…うぅ゛〜!どうしよう、、ぼ、僕ちょっと手が空いてるヒト、探してくるね!
(なまえ)
あなた
待って下さい。
ヨンの服の裾を捕まえた。ヨンはビクリと震えて、振り返った。
ヨン
ヨン
うわっ!?え、なに!?
(なまえ)
あなた
私が手伝います。この場で、一番手が空いているのは私でしょう?
ヨン
ヨン
…い、良いのっ!?
(なまえ)
あなた
はい。
ヨン
ヨン
あ、ありがとう!!助かるよ、ホントに!なんて、お礼をしたら良いかっ!
次の瞬時、ビリリ!と痺れるような険のある声がオフィスに響いた。
キュー
キュー
ーーーヨンッ!!!
ヨン
ヨン
…へあっ!?
キューが、ツカツカとヒールの踵を鳴らしながら、こちらへ早足にやって来て、ヨンのデスクに身を乗り出しながら、鋭い眼力で肉薄する。
キュー
キュー
聞いていれば何?他人に仕事を押し付けるつもり?それも、こんな怪しい小娘に?
キュー
キュー
信じらんない!バッカじゃないの!?
ヨン
ヨン
……い、いや、えっと……キュー、落ち着いてよ?
キュー
キュー
落ち着いてるわよ!!
ゼロ
ゼロ
キュ〜ちゃ〜ん?
ゼロ
ゼロ
愛しのイチくんが、そろそ帰って来るぞ〜?
フラリと、白いヒトが私のデスクに手を付いて、ニヤニヤと笑いながらキューに告げる。キューは舌打ち一つして、去ってゆく。
キュー
キュー
……ヨン、退社時間になったら裏に来なさい
キューは、すれ違いざまにヨンの耳元で囁いた。
ヨン
ヨン
は、はひっ…
対するヨンといえば、上擦った声を上げて震えていた。若干、顔が赤い気がする。緊張しているのだろう。
ゼロ
ゼロ
あ、そうだ嬢ちゃん。次、神に会ったら伝えといてくれ。
(なまえ)
あなた
何をですか?
白いヒトは、座っている私の為に腰を屈ませると耳元でささやいた。

内容を把握したので、頷いた。白いヒトはニカッと笑った。
ゼロ
ゼロ
…嬢ちゃんの顔、俺と同じで白いせいか親近感湧くなぁ〜カワイイ。
至近距離で言われた。
(なまえ)
あなた
ナルシストですか?
ゼロ
ゼロ
おっと、バレたか。
ゼロ
ゼロ
でも、流石に自分と結婚したいなんて、思わないぜ?
ヨン
ヨン
…ゼロさんなら、言いかねないと思いますけど?
ゼロ
ゼロ
ヨン、お前ちょっと後で裏に来い。
ヨン
ヨン
きゅ、キューとの先約があるので失礼します!
ゼロ
ゼロ
あっテメェ、やっぱりさっきのは、そーいう事だったんだな!!?
ゼロが、ヨンの逃げようする首根っこを引っ掴んだ。
ヨン
ヨン
うひゃっ!?ぼ、暴力反対!!
イチ
イチ
おい、二人とも!!何をしている!?
春
あらあら
(なまえ)
あなた
あ、春だ。
こうして、私はオフィスを後にした。

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