第11話

11.
58
2026/02/24 15:12 更新
リヴァイs.



























目を閉じても、暗くならない。















白い天井が、焼き付いたまま離れない。









消毒薬の匂いが、肺の奥に残っている。


































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 …… チッ 












































喉から零れた声は、ひどく弱かった。










身体を起こそうとして、肋が悲鳴を上げる。







どうでもいい。












この程度で止まるなら、最初から止まっている。
















――連れて行けばよかった。







思考が、勝手にそこへ戻る。













殴られる前に。








選ばされる前に。







泣く前に。
















腕を引いて、夜の街へ消えればよかった。









世界なんて、後からどうにでもなった。


































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 … 俺が 







































声が、掠れる。












俺が選ばなかった。










世界を、正義を、結果を――












また、選んだ。















目を閉じる。


















すると、聞こえる。








――「やめて……!」







――「お願い……!」











耳を塞いでも、止まらない。


















あいつの声だ。








泣いて、壊れて、それでも俺を庇う声。


































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 …… 結婚しろ 、 なんて 













































怒鳴るように言った自分を、殴りたい。










あんな言い方で。






あんな切羽詰まった顔で。














――嫌だよ、そんなプロポーズ。
















あなたの声が、脳裏で重なる。



















当然だ。










あいつは、あんな形で縛られる女じゃない。

















それでも俺は、








世界より、あいつを選べなかった。

















扉が、静かに開く。






































ハ ン ジ
ハ ン ジ
 …… まだ安静だ 
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 あなたは 







































問いは、喉で詰まった。












聞けば、終わる気がした。


















ハンジは、少し黙ってから言う。











































ハ ン ジ
ハ ン ジ
 婚約の準備に入ってる 
ハ ン ジ
ハ ン ジ
  … 公には 、 もう止められない 



















































分かってる。













分かってた。



















それでも。
































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 …… クソが 













































声が、震えた。












あいつは今、泣いてないだろう。










泣く時間は、全部俺の前で使い切った。













だからこそ、余計に苦しい。












ベッドの上で、天井を見る。
















ここにいれば、生きられる。






兵長として、また戦える。














でも。







――あの夜に戻れるなら。















俺は、何も考えずに言ったはずだ。










世界なんていらねぇ。








お前と行く。














それを言えなかった罰を、







これから一生、受け続ける。

プリ小説オーディオドラマ