ふわり、と鈴蘭のような
優しい香りが俺の身体を突き抜ける
それと同時に
________________ ザシュ
風になった無数の冷たく鋭い氷の刃が
己に飛んできて頬や胴などの
色々な所を掠め、細かい傷を作った
キミはもう非情で卑怯で理性も無くし
剥き出しの本能のまま人を殺す鬼と
なにも変わらないはず
それなのに _________________
多少鬼の匂いは混じっているが
俺の知るキミ特有の鈴蘭のような香り
それを嗅ぐと、
どうにも頭が狂いそうになる
俺はさっき、彼女 _______ 上弦の弍の
攻撃に全く反応出来なかった 。
彼女はやろうと思えば
致命傷を負わせる、いや、
俺を殺すことだって出来たはずだ
なのにキミがそれをしないのは
きっとまだ ______
__________ 人間としての心が残っているから
なんて、自分が望む展開を
思い浮かべてしまって勝手に絶望する
___ 私のことは殺した癖にそんなこと言っちゃうんだ
氷のように冷たく鋭く
棘のある低い声でキミはそう言った
意味が分からなかった
__________ だってキミは
あの蒸し暑い夏の日の朝
その瞬間、己の脳に
割れるような痛みが走った













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。