第3話

Re
254
2020/08/15 10:07
慎side
俺、長谷川慎
無意識に声に出してたのは自分の名前だった。
俺こんなキャラだっけ?
You
そうなんだ。慎くん。
君は空ではなく今度は地面をみながら
初めて俺の名前を呼んだ。
You
私もう行かなきゃ。
じゃあ…またね。
希望に満ちてるんだか、
すごく寂しいんだか、分からない顔をして
君は目を合わせた。
待って!
また…会えるかな?
You
どうだろう…。
わからないけど会えるといいね
君の居なくなったこの場所で俺は気づいたんだ。
こんなにも曇天の空をどうして眺めていたの?
春風だと思ってたのはいつしか梅雨の風になってた。
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「顔明るいじゃん」
「なんかあった?」
沢山聞かれた。
昨日、君と会ってから心が楽になってた。
本当に不思議な人だな。

今日また彼処に行ってみよう、そう思わせたのは東京の景色じゃない。
君に会えるから。
毎日あの場所に
君に会いに、君を探しに、柄じゃないって思いながら行ってたんだ。
探してるのに「偶然だよ」
そんな事言って涼しい顔で会いたかった。
今日も居ない
名前も知らない“君”で胸がいっぱいだった。

“またね”

その言葉、信じていいですか?

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