よく見ればわかることだった。
右利きのヌナが右頬を掌で叩けるはずがないんだ
裏拳を使ったら叩くことは可能
でも掌の跡なんてつかない。
ヒョン達はちゃんとわかってた。
ヌナが手を出してない事
俺もヌナはそんな事しないってわかってたはずなのに
責めるようなことを言ってしまった。
悔しそうに唇を噛んでいるメイクヌナ
いつの間にか戻って来ていたあなたヌナとユンギヒョン。
今のその光景を見たヌナは泣きそうな顔をして
見つめてた。
その瞬間いつものように俺の頭を撫でた。
その暖かさに涙が出そうになった。
知らぬ間にあの日のメイクヌナはいなくなってて
ユリヌナが俺たちの専属になった。
ユリヌナのメイクの腕を妬んでたらしい。
その事があったすぐ後
ある雑誌の撮影。
いつものようにメイクされた俺たち。
1番最後にメイクをされ衣装を着たヌナ
その姿に圧倒された。
とても綺麗な女性だった。
ユリオンニのメイクと
髪はエクステがついてミディアムロング。
スタイリストのヌナが
用意した黒を基調にした衣装
それら全てがあなたヌナを見違えるほど変えてた
そう。あの日からヌナはパーカーを着なくなった
ハーフパンツもやめた
やっぱり韓国の気候柄マスクはしてるけど
少しずつ本当の自分を見つけ始めたんだと思う。
急に女らしくなった事でアンチは増えたけど
逆にファンも増えた
それに何かあれば俺たちがヌナを守ってたし
ユリヌナも。
それにしても
あの時の初めて見た女の子らしいヌナの衝撃は
凄まじかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。