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第14話

りうら 睡眠不足 3
147
2024/03/31 13:24
りうらサイド

If
りうら、今日はもう帰ってええよ
りうら
え・・・
-hotoke-
いっつもボーっとしてて、正直迷惑なんだよね
初兎
勉強と両立もできんのや
悠佑
俺を超すとか言うてたくせに、生意気やな
ないこ
やる気がないやつはいらない
りうら
そんな、俺、頑張って・・・
ないこ
だからさ、もう二度と
ないこ
来なくていいよ
バサッ
りうら
はぁっ、はぁっ、・・・っ夢・・・
りうら
(そうだ、俺退部したはず・・・あれ・・・?)
りうら
・・・ここどこ、ッい、た・・・
頭が痛み、慌てて布団に戻る。

外は暗い。

けれどここは家じゃない。
りうら
家、帰んないと・・・っや、ばフラッ
ドサッ

ベットから立ち上がろうとして、体が思うように動かず床に倒れてしまった。
りうら
(帰って勉強しないと・・・動けない、勉強、できない、先生に、先輩に、怒られる・・・っ!)
りうら
(動かないと、どうしよう、どうしよう)
りうら
ヒュッ・・・っ!?ハァッ、ヒューッッ
りうら
ハァッハァッ、ヒュー、、ッッケホッ!
りうら
っ、ハァズキ
りうら
(どうしようっ、どうしよう、)
俺はパニックだった。

勉強しなければ、家に帰らなければ。

動きたいのに動かない体。

だんだん焦って呼吸が乱れていく。

咳をするたび痛む頭と喉。

意識も朦朧としてきた。

もうどうしようもなくなって、誰でもいいから助けてほしいと願った。
りうら
ヒューッたすヒューゲホゲホッけハァヒューッてッッ
ガチャ
ないこ
りうら・・・?りうらッ!!!
りうら
ゲホッゲホッない、くッッヒューヒューハァッ
ないこ
落ち着け!大丈夫だから!
ないこ
やる気がないやつはいらない
ふと、さっきの夢がフラッシュバックする。

いや、現実だったのかもしれない。

そう思うと反射的に遠ざけてしまった。



バシッ
ないこ
!?
りうら
っ、ヒューッこ、なぃヒューッ・・・でゲホッゲホッ!
ないこ
っ・・・不安にさせて、ごめんね
ないこ
俺は、何があっても、りうらの味方だよ
ないこ
だから、
ぎゅっ
りうら
ビクッ、っ
ないこ
安心してね
りうら
、ハァッッゲホッゲホッ、ハァ
俺は、こんなに優しい言葉をかけてくれる人の手を振りはらってしまった。

こんなに温かい人を疑って、遠ざけてしまった。
不意に、ないくんが俺の方に手を伸ばす。
りうら
ギュッ
まだあの夢が少し怖くて目を瞑ってしまった。
スッ
りうら
ないこ
ほら〜涙拭いて!
そう言って俺の涙を拭う。

そこでようやく気づいた。
りうら
(俺、泣いてる・・・?)
ないこ
泣くとつらいでしょ、深呼吸〜
一緒に深呼吸してくれる。

それだけで、この人は俺を遠ざけないと、安心することができた。

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