第33話

Chapter 32 剣抜弩張
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2026/04/24 10:00 更新





































川上諒人
あの……


川上諒人がおずおずと口を開く。
ふくらから"リーダー"を返還された伊沢が、川上に視線を向けた。
川上は、先ほど乾から視線を向けられたときよりはリラックスしたような表情で話し出す。


川上諒人
Catastropheメンバーが動き出しました
恐らく、動いているのは船に乗っているメンバー全員です
伊沢拓司
こっちに向かってる?


伊沢の問いに、川上は何度か小さく首を振った。


川上諒人
船底付近の、非常用救命ボート収容所です
伊沢拓司
……来い、ってことか


伊沢が苦々しげに呟く。
その一言に、全員が表情を引き締めた。
伊沢は全員を見回し、心配そうに口を開く。


伊沢拓司
後方メンバーは今回も……
ふくらP
伊沢


仲間を巻き込むまいとする伊沢の心中を察したふくらが、彼の言葉を遮る。
その表情は、覚悟に満ちていた。


ふくらP
俺たちも行くよ


普段は後方支援に動いているメンバーも、当然とばかりに力強く頷く。
伊沢はそれに応え、無言で頷き返した。


伊沢拓司
分かった。
じゃあ全員で行こう
ただし、無理はしないこと。それから……


そこで一度言葉を切り、自らの思考を整理するための沈黙の時間を取る。
やがて、深呼吸をして口を開いた。


伊沢拓司
【共鳴】が発動した場合、他のメンバーがサポートすること


全員が再び力強く頷いた。
伊沢は彼らを頼もしげに見回し、明るく言った。


伊沢拓司
……行くぞ、みんな
























































    海の上にいることを忘れそうなほど、揺れが少なく快適な豪華客船だが、船艙では波とぶつかる音がわずかに船内に響いていた。


Catastrophe
……誘いに乗ってきたか
それなら、全力で応じるまでだな
Catastrophe
だが、彼との約束はどうする?
彼は俺らとの約束通りあのことを黙り通し、こちらに情報を送ってきてくれている
その約束を反故(ほご)にするのか?


《重力操作》の異能力者の呟きに続いて、《体力吸収》の特殊能力者が問うた。
《無効化》の異能力者はフッ、と冷たく笑い、その人物を見据える。


Catastrophe
約束なんぞ、最初から守る気もない
あれは、ただの彼への"脅し"だ
Catastrophe
……可哀想に


そう呟く《体力吸収》の特殊能力者の目は、笑っていない。
同情という感情も、彼にはもちろん微塵も宿っていなかった。
そこにあるのはただ、冷たく、無機質な感情のみ。


Catastrophe
ボスのお望みどおり、彼らを殲滅(せんめつ)して"あの人"を拐う。いいな?


《無効化》の異能力者の号令に一同は頷き、前を見据える。


Catastrophe
…………殲滅開始だ























































    今回のタイトル「 剣抜弩張(けんばつどちょう)」は、戦闘が始まる直前のような、緊迫した状況なたとえ、だそうです

私はこの「弩」の字が好きです笑
どこかで山本さんがこの字について触れていた気がするのですが……気のせいですかね




































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