今日はいのりちゃん、莉亜ちゃん、永の4人でショッピングに行く予定だ。
自分の服だけじゃなくて、お嬢様に着せたい服とか選ぶんだ~!楽しみだなぁ。
フードコートで何か食べようかな。その方が色々選択肢が豊富だし。
引率してくれる残夢さんと珠紀さんもそこなら何か好きな物食べられるよね。
お土産は甘いものにしようかな~。プリンとか、マカロンとかでも良いよね~。
準備をしていると、ショッピングに行く他の3人は準備が終わったようで、わざわざ私の部屋まで呼びに来てくれた。
三つ編みした髪を大きな赤いリボンで止めて、仕事着とは違うお気に入りの私服を整えて部屋を出る。
やっぱり3人ともオシャレだな~!お嬢の服選ぶのって魅悪ちゃん以外だとこの3人のこと多いし、センスは良いんだろうな~。
そういえば、あんまり珠紀さんと残夢さんの私服って見たことないなぁ…。
残夢さん、まさか厨二病感満載の服とか着てこないよね!?
いや、流石にないか…。珠紀さんもいるし、大丈夫でしょ…、大丈夫だよね?
頭の中で考えながら合流した3人と玄関に出る。
珠紀さんはいつもの袴ではなくて、ポロシャツにジーパンを穿いた、いかにも好青年と言った印象を受ける服装だった。
はぁ…珠紀さんは大丈夫だ。
ところが肝心の残夢さんの姿が見当たらなく、思わず首をかしげる。
そう言って出てきた残夢さんの格好を見て、思わず二度見してしまった。
若葉色のTシャツに黒のカーゴパンツとジャケット、控えめな銀色のネックレス。
え、残夢さんってストリート系着るの!?
意外すぎませんか!?しかもセンス良い~…。
知らなかった…。人は見かけによらないんだなぁ…。
今度、みんなの私服も見たいなぁ~。書類仕事ばっかりして出かけたりしない人いるし、面倒くさがって服は仕事着しかない人もいるし。
今度、みんなで出かける予定でも立てようかな?
厨二病なのは変わらないんだ、少し安心した。
しばらく車を走らせていると、大きなショッピングモールが見えてくる。
洋服はもちろん、家具や家電、コスメにフード、なんでもそろってて、この辺だと1番の品揃えだと思う。
今日は、自分の服よりもお嬢様の服を優先して買いたいんだよな~。
あと、みんなにお土産で甘いものね。
運転している残夢さんや永、莉亜さんもいいねマークを出してくれている。
フードコートもここのショッピングモールは広いんだよねぇ。
車を駐車場に止めて、ショッピングモールの中に入ると、休日なだけあって、結構な人が行き交っていた。
とりあえず洋服を見たいので、エスカレーターで2階に上って洋服エリアに向かう。
莉亜ちゃんに連れられて、お嬢様がよく着ているブランドのお店に行くと、新作の可愛い洋服が沢山揃っていた。
確かに、同じ系統の服だとはずれはないけど、新しい発見もないよね。
お嬢様なら何でも似合うと思うけど!
それから二手に分かれて、いつも通り可愛い系の服を見繕う組と、ストリート系のいつも着ないような系統の服を見繕う組に分かれた。
引率はそれぞれ別れてくれたから安心して回れたし、良いのも沢山買えたし、早くお嬢様に着せたいなぁ。
みんなでフードコートに行くと、すでに人が集まり始めていて、私たちも急いで席を取る。
やっぱり休日なだけあって人が多いなぁ…。莉亜ちゃん、大丈夫かな。
あまり長居はさせたくないし、早く料理を決めちゃおう!
とりあえず先ほどのように二手に分かれて、料理を頼むことにした。
私は何が良いかな~…。
それぞれ、頼みたい料理が決まって注文を済ませて席で待ってた組と交代する。
後に行った組も戻ってきて、出来上がりを知らせるリモコンが鳴るまでみんなで雑談する。
ハンバーガーとラーメンかぁ。聞くと、その選択肢もあったなってたまに後悔するんだよなぁ…。
今日は私はカルボナーラの気分だったからそれにしたけどね。
頼んだメニューの話をしてると、みんなのリモコンが一斉に鳴り出す。
え、一斉に鳴り出す事なんてあるんだ!?すごぉ~…。
そう言ってくれた珠紀さんに甘えて、みんなで出来たての料理をテーブルまで運ぶ。
私たちが全員来たところで、珠紀さんも蕎麦を取りに行って、揃ったところで挨拶をする。
みんなも私の掛け声を合図にいただきますと口にして、それぞれの料理を食べ始める。
カルボナーラ美味しい~…。やっぱり家だとここまでの濃厚さが出せないんだよねぇ…。
残夢さんから貰った激辛麻婆豆腐をパクッと食べた珠紀さんの顔がみるみる赤くなっていく。
汗すごいし、どれだけ辛いんだろう…その麻婆豆腐…。
いのりちゃんが呆れた顔で珠紀さんを見ると、辛いせいなのか涙目でフルフル震えながらお蕎麦を啜っていた。
なんか、辛いもの食べた後に食べたら麻痺して味分からなそう…。
あ、そういえば、私たちお昼いらないよって言い忘れてた。念のため言っておこうと思ってたのに。
スマホを取り出して、暁月組のグループチャットにメッセージを送信する。
これでよし、と。
手元に置いてあったスマホにメッセージの通知が届く。
暁月組のグループチャットで、青葉さんがお昼ご飯いらないって言う内容だった。
そういえばもう、お昼じゃん…。
ただの独り言のつもりが一緒に貯まった書類仕事をしていたまれくなコンビが反応する。
それにしたって久那兄の書類多くない?
あ、問題行動起こしまくってるからか☆
あ、作ってはくれないんだw
どうせなら、ゆきちゃんかお嬢様が何か作ってくれないかなぁ。
2人の料理が美味しすぎるんだよな~みんなの料理ももちろん美味しいけど。
そんなことを考えながら、書類に目を通していると、ガチャッとドアが開く音がした。
風霊さんが人数分のオムライスをトレーに乗せて部屋に入ってくる。
待って、もう良い匂いする。すっごい美味しそう!
確かにゆきちゃんが一緒なら大丈夫だ!
時々風霊さん、薬混ぜ込んだりするからなぁ…。主にお嬢様にだけどさ。
オムライスは卵がふわとろでケチャップでガンバレって書かれてる。
それだけで、頑張れるよね~!!
美味しい~。後でゆきちゃんにお礼言っとこ~。
まれくなコンビも書類仕事で疲れてたのか噛みしめながらオムライスを食べてた。
いっつもゆきちゃんに押しつけるからじゃん!いつもやってたら貯まったりしないのに!
…あ、それ僕もだ。まぁ、僕は逃げようとなんてしてないし、押しつけてないし!2人みたいに!
この組に入る前からの付き合いだけど、やっぱり大好きだな~…。
ゆきちゃん、徹夜すること多いしもっと僕に頼って欲しいのに。ゆきちゃんの為なら面倒くさくても書類仕事だって頑張るのに。
早く、ゆきちゃんにとって頼れる相棒になりたいな…。
少しボーッとしていると、口にオムライスをいっぱいに詰めたまれいさんと久那兄が話しかけてくる。
いや、すっごい詰めてるな!?お行儀悪いし辞めなよ…。心配してくれるのは嬉しいけどさ。
やっぱり、暁月組のみんなは優しい。
この場所は温かくて、僕らしくいられる。
お嬢様に出会って、この組に入れて、本当に幸せだな…。
そう言って、残りのオムライスを口に頬張る。
ゆきちゃんから、がんばれのメッセージ貰ったし、お腹もいっぱいだし残りの書類仕事はスムーズに終われそう!
今日は春乃さんと図書館で魚についての文献を読み漁っていた。
この間の僕の豆知識を覚えていてくれたみたいでもっと詳しく知りたいからと、春乃さんから誘って貰った。
こういう勉強熱心な所が尊敬できるんだよな。やっぱり研究員なだけあって、気になったら一直線な所があるのかも。
1度、図書館から出てスマホの地図アプリを頼りに目的のお店まで歩いて行く。
そういえば暁月組って年齢とか気にしてないから普段忘れちゃうけど春乃さんって年上なんだよなぁ…。
なんだろう、春乃さんって…弟みたいな。無邪気で純粋で守ってあげたくなるような感じがするんだよなぁ…。
こういう姿を見ると、頼もしく感じるけどね。
隠れ家的なお店なのか、あまり目立った外見ではなく、ひっそりとした普通の家のようにも見える。
こういうお店って最初はいるとき緊張するんだよな…。
なんか視線が集まる感じがして嫌だ。
いやいや、勢いよく行きすぎじゃない!?さすがにビックリした…。
僕が唖然としていると春乃さんが店員さんと話していて、席に案内される。
僕も慌てて着いていくと、入り口からはあまり見えない、テラス席に案内された。
春乃さんがお礼を言うと、店員さんはメニューを置いて、裏の方へ戻っていく。
ここならあんまり視線感じなくて良いかも。
オリジナルハンバーグに、チーズ入りハンバーグ、ヘルシーハンバーグ…。
あ、デザートとセットのもある。僕これにしようかな。
春乃さんがこれと言って指を指したのは、僕が頼もうとしていた注文と全く同じだった。
春乃さんが店員さんを呼んで、同じメニューを2人分注文してくれる。
ちなみに僕たちが頼んだのは、和風おろしハンバーグのデザートセット。
さっぱりしたものが食べたかったんだよね。おろしハンバーグって美味しいしさ。
問題児の風霊さんと違って春乃さんは健全な薬の調合を数多くこなしてる。
大体、薬品室に入り浸っているし、今はハイビスカスを使って何かをやっていたはず。
春乃さんが言うにはハイビスカスにはアントシアニンと呼ばれる成分が含まれていて、それを精錬中なんだとか。
へ~、1年かぁ………1年!?
思わずビックリして春乃さんの方を見ると、面白そうにくすくす笑ってくる。
いや、そんなに笑わなくても良いのに…。
恥ずかしくなってくるじゃん…。
そんなことを話していると、店員さんが料理を運んでくる。
和風のタレが大根おろしにたっぷりかかっていて写真よりも美味しそうに見える。
デザートは日替わりらしいからどんなのが出てくるのかと思ったら、イチゴソースがたっぷりかかった杏仁豆腐だった。
今はイチゴが旬だからかな。美味しそう。
おろしハンバーグは、ジューシーだけどおろしがさっぱりして美味しい。
デザートもイチゴソースが甘酸っぱくて、くどくならない甘さだった。
ご飯を食べながら春乃さんと談笑していると、暁月組のグループチャットにメッセージが届く。
差出人はお嬢様。
“今日はみんなで鍋パするぞ~!出かけてる組は好きな物買っておいで~!!”
だそうだ。
ニヤッとしながら春乃さんがリクエストする。
タラか~。僕も食べたいかも。鍋に入れると美味しいよね、鍋の種類にもよるけど。
暁月組のグループチャットで、メッセージを送った後、鍋パの準備のため大きな鍋を2つ取り出す。
今日は2種類の鍋を作っていきま~す!
まぁ、なぜ鍋パをすることになったのかは数十分前に遡る。
キリママって言うのは、この虚無さんの母親のこと。
めっちゃ強いんだけど、この人も中々にカオスな人なんだよな~。
食べたいのは分かったけどなんでウチでやらなきゃいけないのさ!
でも、鍋か~…。これから暑くなってくるんだし食べ収め的な感じでやっちゃう?
なんか、私も食べたくなって来ちゃったし。
虚無さんと話しているとタイミング良く3人が入ってくる。
ん~もう鍋にしちゃうか!みんなで鍋パだ!
まぁ、こんな感じで鍋パすることになった。
さっきの3人はある程度の材料を買ってきてもらって、私と虚無さんは鍋とか道具の準備をして待つ。
なんの鍋にしようかな~。気分的には白湯系だけど…。
買い物に行っていた組が帰ってくる。
いや、袋の量すごいな!?w
まぁ、19人分だもんね。
ふれさんも白湯に1票か~。
他の3人も頷いてるし、白湯は決まりにしちゃおう!
お魚に合う鍋か~…。それだと王道の塩系かな?
鍋に入れるお魚って美味しいよね~。
え、初めて聞いたんだけど。
レモン鍋なんてあるの!?
ゆきちゃんも合うって言ってるし、正直興味あるし…。
もう一つはレモン鍋だぁ!
確かにお魚に合うならもう少し欲しかったかも。
でも、お魚買いにまたいくのも面倒くさいだろうし…。
ゆきちゃんの言葉にみんなが首をかしげる。
その様子を見て、少しクスッと笑って、
鍋の準備をしながらしばらくして、出かけていた組が次々に帰ってくる。
色んな具材を買ってきてくれて、あーちゃんたちは、うどんやラーメンなどの麺類系だった。
魁斗さんとろまさんは白身魚を多く買ってきた。
うん、予想通りって感じだなw
それから、書類仕事に追われてた魅悪ちゃん、まれいさん、やためぇが書類を終わらせて合流してくる。
なんか朝からやってたって聞いてたけど、ようやく終わったんだ…。いや、どんだけ貯めてたらこんなかかるの!?
ゆきちゃんが魅悪ちゃんの頭を撫でて褒めてる。
あそこは本当に仲良いな~。
まれくなコンビがめっちゃ叫んでる。
いやいや、元はと言えば2人が書類仕事をやらないのが原因なんじゃないの?w
私はみんなに任せてる側だからあんまり言えないけどさ。
神宮寺兄妹が鍋の話で盛り上がってる後ろで、十六夜と黒羽さんがなにやら話してた。
あそこって案外仲良いんだ。今日も手合わせしてたみたいだし、頑張り屋達だな~。
私がみんなの様子を見ていると、後ろから、はるちゃんと莉亜ちゃんが話しかけてきた。
すっごい目をキラキラさせて。
服を買ってきてくれるのは嬉しいんだけど、1度に沢山買ってくるからファッションショーみたいになっちゃうんだよな…。
みんなセンス良くて、着たくないとは思わないんだけどさ。
鍋に入れていた具材が煮込まれて美味しそうな匂いがする。
レモン鍋の方も爽やかな匂いがしておいしそう~!
みんなが私の声に反応してそれぞれ席に着く。
珍しい休日でそれぞれ過ごしたけど、やっぱりみんなで揃ってる方が楽しいし安心する。
一同))いただきます!!!
はい、ある意味初登場の作者です。
この度、デイリーランキング、オリジナル部門で33位にランクインいたしました。
みなさまのお陰で低頻度の更新の中ここまでたくさんの方に見ていただけて幸いです。
これからも、この作品をよろしくおねがいします































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。