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第29話

疑い
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2025/07/09 17:12 更新


宿泊訓練を明日に控え、当日の準備を


着々と進めていく私たちの班


それに比べて樹のいる班は...



優吾「バカお前なんでやってねぇんだよ!」

樹「え!?それ俺の仕事!?きょものほうが働いてないだろ!!」

大我「俺は今旅のしおりの表紙の色を塗ってんの!」

樹「それ意味あるぅ...?」



なんだか大変そうだ



北斗「お前らなんも進んでねぇじゃん笑」

優吾「こいつらほんとに働かねぇんだよ」

樹「慎太郎ちゃんとやってんの!?」

慎太郎「やってるわ!」



基本的に支持を出してくれる北斗と、


文句も言わずに作業してくれる


ジェシーと慎太郎のおかげで、


もうそろそろ他の班より一足先に準備が終わりそうだ



先生「北斗の班な、終わったらもう寮戻って荷物まとめとけよ」

北斗「わかりました」

慎太郎「うっし!終わり〜!」

ジェシー「はーしんど!!慎太郎!早く戻ろ!」

慎太郎「じゃ、俺ら先戻るから」

北斗「香耶、俺らも行こう」

「うん。じゃあな樹」

樹「くっそ俺も帰りてぇー!!」

優吾「ならさっさと終わらせろ!」



髙地にこき使われる樹に心の中で声援を送り、


北斗と一緒に先に寮に戻る


部屋に入って荷物をまとめていると、


北斗の声が遠くから聞こえてきた



北斗「香耶ーお前のも歯ブラシまとめて持っとくぞー」

「あ、はーい」



ここでの暮らしもだいぶ慣れて、


多少のことは何も気にせず過ごせるようになった


それと同時に女としての何かも失ったような気がするが



北斗「そういえば香耶、宿泊訓練大丈夫なの?」

「大丈夫って、何が?」

北斗「え、だって香耶女の子じゃん。」

「...は?」



驚いて振り返るときょとんとした顔の北斗が


こちらを不思議そうに見ている


いつからバレていた?なんでバレた?退学になるのか?


色んなことが頭をよぎって、言葉が出てこない


そんな私を見て、北斗が吹き出して笑った



北斗「冗談だよ笑」

「え、あ、あぁ、笑 そうだよな笑」

北斗「にしても香耶、性別のことになんか敏感だよな」

「そんなことないよ、笑」

北斗「ふーん?」



北斗は意外と鋭いところがある。それはわかっていたが


こんなにもだとは思わなかった



北斗「まぁ、最初は思ってたけどな」

「なにを?」

北斗「こんなかわいい顔してんだから、本当は女の子なんじゃないかなーって」



北斗は私のほっぺたを両手で潰してぐにぐにと動かす



「ほくといたいよぉ」

北斗「ごめんごめん笑」

「そんなはずないだろ?ここ男子校なんだから」

北斗「ま、そうだよな笑」



北斗に1度疑われてしまっている以上、


宿泊訓練ではもっと警戒しておかなければ


ならないことを想像して、思わずため息が出そうになる


こんなことなら、父さんの遺言なんて無視して


普通の学校に通っていれば、


...


いや、それはだめだな...


とにかく、入ってしまったからには


絶対にバレる訳には行かない


なんとしてでも宿泊訓練を乗り切らなければ



北斗「香耶が女の子だったらよかったのに

「ん?なんか言った?」

北斗「なんでもねーよ」


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