交流会の時の豚頭魔王（オークディザスター）の事件の時から
俺の中である一説が浮上していた



この世界に異世界（俺達の世界）を知る存在がいるという説だ
それも、俺がスライムに転生してからの出来事を
知っている者だ
そうでないと今回の件と豚頭魔王（オークディザスター）の件に
説明がつかない

ｺｿｺｿｺｿ

そう呟いた後、順平は印を結び
自身の式神である「澱月」を召喚した。





吉野順平の術式「澱月」。
海月（クラゲ）の式神を召喚する術式だ。
だが、それは順平が術師として覚醒して直ぐで
術式に対する認識が浅かった時の話だ。
呪術師となり呪術の基礎を学び
己の術式と向き合ったことにより
順平は術式の解釈を広げ拡張術式を得ることに
成功した。

術式「澱月」の本質は毒である。
そのことに気づいた順平は解釈を広げ
澱月「波布」を会得した。

「波布海月（ハブクラゲ）」
5〜10月にかけて沖縄県全域に発生し
無数の毒針で観光客を襲うことで恐れられている。
その毒針に刺されると人間は死亡することもある。

では、呪霊、又はそれに準ずるモノであったら？

ﾌﾞｽｯ

澱月は順平の指示通りに動き
暴風大妖渦（カリュブディス）目掛けて浮遊して近づき
その身に宿す無数の針で暴風大妖渦（カリュブディス）の鱗を刺した。




























ﾊﾟｱｧｧｧｧｧｧｧｧﾝ!!

澱月に刺された箇所が破裂し
まるで糸が解けていくように暴風大妖渦（カリュブディス）の体が
崩れていく。





呪霊、又はそれに準ずるモノが
澱月「波布」に刺された場合
体を形成している呪力が紐解かれていく。

順平の合図と共に
リムルは暴風大妖渦（カリュブディス）の目の前に現れた。

ﾎﾞﾛｯ……

to be continued