第5話

ep.4
287
2024/07/06 14:52
若井side




急いで大森のクラスから離れる

若井滉斗
若井滉斗
けほ、っ…
若井滉斗
若井滉斗
(やばいやばいやばい…!結構口滑った…//)


1年前

俺は大森に出会った





始まりは入学式。

いわゆる「陽キャ」の分類だった俺は、入学初日からバンバン友達を作る







はずだった。


若井滉斗
若井滉斗
ゲホッゴホッゴホ
若井滉斗
若井滉斗
(入学式から風邪とか…)
若井滉斗
若井滉斗
(頭いてぇ…家出る前より悪化してるわ…)


めちゃくちゃに風邪をひいていた。







なんとか入学式を乗り越え、ふらふらになりながら教室を出た。


その頃には誰が見てもわかるくらい体調不良で



若井滉斗
若井滉斗
(あ、あそこ…)


中庭の真ん中にあったベンチ。

少しだけ、ほんの少しだけ休憩しよう…


若井滉斗
若井滉斗
ドサッ…うぅ、、


思ったより自分がピンチなことに気づく。


吐き気まで襲ってきて、不安が心を支配する




若井滉斗
若井滉斗
う“っ……んぇ、…




ただただ気持ち悪い時間だけが続く。







若井滉斗
若井滉斗
ん”……うぅ、…
???
あのー、…






若井滉斗
若井滉斗
……ぅう……



数十分たった頃



先生だろうか、誰かが声をかけてくれた。



???
ね、ちょっと……?


顔をあげる


大森元貴
大森元貴
大丈夫、?じゃないか…
若井滉斗
若井滉斗
ぁ、っすんません、……ぅえ…



胸についてる花飾り…

こいつも新入生か、、


大森元貴
大森元貴
吐き気、?
大森元貴
大森元貴
どこがしんどい、っすか…?


ああ思い出した

同じクラスの……
大森元貴
大森元貴
だ、もしもし、?
大森元貴
大森元貴
水飲む、?
若井滉斗
若井滉斗
あ、大森…くん…か
大森元貴
大森元貴
ぇ、…うん…?


若井滉斗
若井滉斗
だいじょ、ぶ……





若井滉斗
若井滉斗
おぇ、っ……ビチャビチャビチャ
大森元貴
大森元貴
え、ちょっと、!!大丈夫!?





大森元貴
大森元貴
あ、の若井……?くんっ…
大森元貴
大森元貴
きの、ぅ…大丈夫だった、?
若井滉斗
若井滉斗
おー!!だーじょーぶ!!
若井滉斗
若井滉斗
若井完全復活!!
大森元貴
大森元貴
そっか、よかった…
若井滉斗
若井滉斗
ありがと、大森!
大森元貴
大森元貴
僕はなんもしてないよ…!
若井滉斗
若井滉斗
まじで!!あの時大森いなかったら死んでた笑





この出来事から、俺は確実に



大森に惹かれていた。



大森おおもり」と「若井わかい」だから、席はかなり遠いけど



目線はいつまでも彼を離さなくて。



あくびとか、何かにつまづく姿とか


いつのまにかそんな大森を「可愛い」って思うようになった。







2年になって、大森とはクラスが離れて、


当然俺達は疎遠になった。



おそらく彼は俺のことを忘れかけている。







……俺はこんなに大好きなのに。


あの雨の日、久しぶりに大森の背中を見つけた。


俺はもう心臓バクバクで


蓋をしようとしていた気持ちが爆発してしまった。





大森と2人の帰り道、ほんとはちょっとでも長く一緒にいたくて



わざわざ公園ある道通ったんだよな。


あの派手髪大学生には笑顔見せてて、めっちゃ嫉妬した……






今日なんか、大森に会いたくて早く登校したんだよ



ちゃんと「可愛い」って聞こえたかな。

照れたふりで隠したけど、あれは俺の本心で。







大森の耳が赤くなってたのは、、


期待していいかな?




大森が俺のこと、好きになってくれればいいのに。

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