あなた side
炭治郎君とはぐれてしまってから私は
ガクガクブルブル震える手足を頑張って
奮い立たせ鬼に刃を振るった 。
水の呼吸 、と上手く言えないくらいには
恐怖で強ばっている 。
遠くで 、鬼の叫び声が聞こえた 。
炭治郎君と鉢合わせしてなかったら
良いけど … 。
もし鉢合わせしていたら心配だなぁ 。
喋る鬼は雑魚鬼よりも強いらしいし 。
もし今この状況で鉢合わせしてしまったら
勝てる自信がない 。
それでも勝つんだけれど … うぅ 、精神面は
あんまり変わってないかもな 、私 。
そもそも 、何でこんな怖い事をしなきゃ
いけない事になったんだろう 。
そうだ 、あの時師範が私の事を助けなければ
こんな事にはならなかったハズだ 。
いや違う 、灯君があんな薄暗い小屋に
住んでるのをもっと否定すれば良かった 。
人里に行こう 、そうやって説得すれば
鬼は来なかったのかもしれない 。
ううん 、それよりもっと前だよ 。
私が灯君と会わなければ 。
会わないようにするには?
そうだ 、両親がもっと優しければ良かった 。
恐怖と不安でマイナスな思考に陥っていたら
お腹に痛みを感じた 。
腹痛?いや違う 、これは傷だ 。
どうしよう 、喋る鬼だ 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!