少し静かになってしまった食堂に、與那城さんの声が響く
そう言う川尻さんの髪の毛は、まだ少し黒くて………
ちくりと胸が痛んだ
………私が、あんなこと聞かなければ………
知らず知らずのうちに俯いていた私の前に、誰かの足が止まる
慌てて顔をあげれば………
まともに顔も見れないまま、なんとか謝罪だけを口にする
川尻さんを暴走させてしまったのは、間違いなく私
私が昔話なんて聞かなければ、こんなことにはならなかった
それでも…………
やっぱり、闇烏は暖かい
川尻さんの最後の一言に、一気に体温が上昇するのを感じる
………嫌でも、認めることになるじゃないか
私が、闇烏を大切に思い始めていることを………!
突然顔を覗き込まれ、硬直する
至近距離にあるのは、俳優くらい……いや、それ以上に整った1つの顔
や、ばい
キャパオーバーしそう
ぐるぐるする頭で限界を感じたその瞬間、私を助けてくれた人がいた
その人とは………
川尻さんが食堂を出ていって、それに続いて金城さんも食堂をあとにした
残ったのは、困惑しっぱなしの私と、真顔の川西さん
………や、どういう状況ですかね?
そのー、さぁ………真顔が1番怖いんよ??
そのまま川西さんを置いて部屋に戻るわけにもいかず、まごまごしていると………
不意に川西さんが声をあげた
びっくりして、思わず川西さんの顔を凝視する
そんな不機嫌そうに言わないでもらって………?
だってさ、川西さんが話しかけてくるの初めてなんだもん
そりゃびっくりするでしょ
頭の片隅で、さっきの人体実験のことだったらやだなぁ、なんて思う
でも、川西さんからの質問は予想を大きく裏切った

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。