次の瞬間、爆発の音と共にグラウンド全体が大きく揺れた。
ナニコレ…頭が痛い…ッ!
何で…頭が痛い…
ズキズキする…思い出せない…イタイ…
…!義父様!?
…!まさか…!リュウジ君達と治兄達が…!?
…私が、元ジェネシス候補?
…そんなの…ルナリアはそんな義父様を見て、私を白い仮面に包まれる様に私の身を守ってくれた。なのに…ジェネシス候補だったなんて…そんなの利用されて悲しいに決まっている。
けど…私は…義父様の道具じゃない…!
ヒロト君達を破壊の道具にさせるのは…間違っている!
円堂は義父様を睨んだ。
ヒロト君は、雷門ゴールに上がっていく。
ドーンッ!!
ドーンッ!!
ヒロト…グランはそう叫ぶと、ウルビダとウィーズと共にボールを囲い禍々しいオーラを放ちながら上空に飛んだ。3人が同時にボールを蹴り込み叫ぶ。
超新星。大質量の恒星が、その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象だ。その名に違わず凄まじい宇宙のエネルギーを纏ったシュートがゴールへと向かう。
それは、流星ブレードを止めたムゲン・ザ・ハンドを一瞬で打ち砕いた。進化していたのにも関わず、だ。秋が思わずベンチから立ち上がり目を見張る。1-2、再びリードを許してしまった。
そんなの…ヒロト君達が苦しいのに…!何で…ッ…!
訓練…きっと、遥香…ルナリアも辛い特訓をしていただなんて…!?
義父様のプレゼンテーションの続きだろうか。平然と言ってのける義父様は、自分のしていることが正しいのだと信じて疑わない。目を背けた瞳子姉さんと違い…払った時間も犠牲も何もかも、まるで、遥香…ルナリアが最初から存在していなかったかのように。
円堂が再び義父様に向かって叫ぶ。すると円堂の正面にスクリーンが浮かび上がり、そこに映っているのは義父様。
憤慨しながら言う円堂に冷静に返していく義父様。
塔子、吹雪、神無月、木暮、リカ、立向居、綱海。誰もがそれぞれの想いを、覚悟を胸に、加わったのだ。道具ではないし、決して入れ替えたわけでもない。
…遥香は弱くなんかない!
サッカーが大好きでチームの為に頑張ろうとしている!俺達は遥香を弱者じゃない!自分の意思で雷門イレブンに入り、ジェネシスと戦おうとしてヒロト達を救うおうとしているんだ!
円堂…
風丸さん達の為に頑張ろうとしている。
のに…義父様は人が変わったかの様に感じて…私はルナリア…義父様はルナリアという名前を付けた。
…私は今の名前を捨てたくない…けど…仲間を見捨てたんじゃない…!
姉さんは私の事を見守って、お母さんの所に渡したんだ。
神無月遥香として…!
円堂は、ヒロト君にぶつかっていく。
円堂のあんなプレー、見たことない。
今の円堂のプレーは、ただ怒りをぶつけているだけ。
ドサッ!
ドサッ!
軽々と躱され、ついに転んでしまった円堂に向かってグランが言う。立向居を侮辱しているかのようなその発言に円堂は立ち上がり、ヒロト君…グランに向かっていくもまたもや躱された。
ムゲン・ザ・ハンドを破ったシュートが再び打ち込まれる。木暮、壁山、綱海の3人が止めに入ったが吹き飛ばされ、ムゲン・ザ・ハンドを繰り出し押さえ込もうとするも一瞬で砕かれた。
威力を失っていないシュートがゴールに入るかと思われたそのとき、豪炎寺と吹雪と神無月がそれを3人に蹴り返そうと同時に躍り出た。
一瞬炎と氷と白夜を纏ったかのように見えたそのボールは勢いを落としそして軌道を外れる。
それに…今の感じ…
新しい感覚の様な気がする。
シュッ!
シュッ!
ピーィッ!
シュッ…
ドンッ…!
ピピッ!ピピーッ!
円堂は荒く息をして、義父様を睨んでいた。
タッタッタッ…
姉さん…
姉さんが…笑ってくれた…
タッタッタッ…
円堂君は、私達を見た。
私達は、真っ直ぐ円堂君を見る。
パシンッ!
円堂君は、自分の頬をぶった。
そして、私達に頭を下げた。
だから、私達史上最強イレブンが集まっているんだから!
私達は円陣を組んで、手を重ねた。
タッタッタッ!
ピピーッ!
円堂のバックパスを受けて、ヒロト君を躱す。
タッタッタッ!
シュッ!
タッタッタッ!
シュッ!
シュルルッ!!
やった!同じ点まで行った!
タッタッタッ…
円堂と遥香の言葉に動揺するヒロト。義父様はフィールドを俯瞰しながら眉を顰めた。
まるで…円堂と私の言葉に否定された様なやけくそな気持ち…
またもやムゲン・ザ・ハンドは打ち破られ、着地したグランたちがゴールを確信する。しかしシュートとゴールの間に入り得点を阻む影。
ドーンッ!!
ドーンッ!!
タッ…
タッ…!
立向居君は、ムゲン・ザ・ハンドを進化させて、ジェネシスのシュートを止めた。
立向居君の勇気で進化させた…!
究極奥義は進化する!
思わず椅子から立ち上がり表情を険しくする。フィールドではグランが膝をつき戦慄いていた。
ガシッ…
…!リミッター解除…!?
遥香がジェネシスを持つリミッター解除を…!?
タッタッタッ…
シュルルッ…!
『リミッター解除、貴方の白夜の力は余りにも強過ぎます。だからこそ、名前と共に先程の記憶を封じて貰います。』
『…義父様の為になるの?』
『えぇ、遥香。お前にしか出来ません』
『…義父様の為なら、私…遥香でも…ルナリアで…皆の為なら…この記憶は…どうだって…良い。』
タッタッタッ!
カチャッ…
私…じゃなくなる。
白夜の女神の領域を超えてしまう…私が違う私が…映ってしまう。
シュッ!
ヒロト君達は、物凄い速さでゴールに走っていく。
だとすれば…遥香を奴らが持つリミッター解除を使わせちゃ駄目だ…!
…そんなのっ…義父様!やめてください!ヒロト君達の身体が…壊れちゃうっ…!!
私はヒロト君達に手を伸した。
ピピーッ!
玲名ちゃん達の身体が…ボロボロに…なっちゃう…!?
途端、ヒロト君達は苦しみだした。
…分かってる。親を思う気持ちは分かるよ
けど…ヒロト君達の身体が…壊しちゃうんだよ!?
タッタッタッ…
ピピーッ!
円堂は、玲名ちゃんとヒロト君を抜いた。
タッタッタッ!
…っ違う!勝つ事が目的じゃない!
タッタッタッ!
タッタッタッ!
ガンッ!
円堂からパスを受けて、私は上がっていく。
シュッ!!
タッ…!
タッタッタッ!
タッタッタッ!
神無月は月を、豪炎寺が炎を、吹雪が冷気を纏まとい、そして同時に蹴り込む。3人分のパワーが込められたそのシュートは、ネロに必殺技を出させる暇もなくゴールに突き刺さった。3-3。同点に追い付いた。
※元々は豪炎寺さんと吹雪さんのクロスファイアだったけど、主人公の神無月遥香を合わせたら繋がリーヨの3人を想像したらこうなりました。
信じられないといった様子でこぼす吉良と、それを後ろからただじっと見つめている剣崎。ジェネシスが揃って立ち竦む中、豪炎寺と吹雪と神無月は手を取り合った。
タッタッタッ…
だって…憧れの豪炎寺さんとかっこいい吹雪さんが居ると…つい…緊張しちゃって…(^_^;)
そう言った吹雪に嬉しそうに返事をした雷門イレブン。そしてその様子を、茫然と眺めるジェネシス。
試合再開。グラン、ウルビダ、ウィーズが顔を顰め、どこか辛そうな面持ちで雷門イレブンを突破していく。
タッタッタッ!
ドーンッ!!
ドーンッ!!
タッタッタッ!
姉さんの顔が晴れやかで…私達のハートはまだまだっ!!
シュッ!
シュッ!
シュッ!!
円堂がそれを理解すると同時に豪炎寺と吹雪が並走する。まるで示し合わせたかのように頷いた3人は、いつの間にかゴール前まで辿り着いていた。
全員分の想いが込められたボールを囲み、感謝をするように合掌した。瞬間、青く輝く線が円堂、豪炎寺、吹雪を囲み、その外側に橙に輝く八つの点が規則的に浮かぶ。点からボールへとパワーが集まると、3人はボールと共に高く飛び上がった。
ドーンッ…!!
…義父様、この試合…私達雷門イレブンが勝ちます!
義父様が力なく倒れるように椅子に腰かけた直後、高らかにホイッスルが鳴り響いた。試合終了。雷門の勝利だ。
ピピッ!ピピッ!ピピーッ!
4-3。得点板を見てそれを実感すると、ホイッスルや角馬にも負けないくらい大きく、円堂は喜びの声を上げた。
タッタッタッ…
…後、義父様にどう接したら良いか…分からない…
だった一人の義父様…本当のお父さんは居るけど…今は…
義父様として呼んで…良いのだろうか?
次回 エイリア学園の真実そして…エイリア石の真実…!
此処からは主人公の神無月遥香がお日さま園に引き取られた経緯が明かされる…!














































編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!