桜が舞い落ちるこの景色を、
いつかの僕たちは、並んで見ていた。
今ではそのほとんどが嘘になってしまった言葉を
心から伝え合いながら。
数ヶ月後。
見上げれば空は、
君に見せたいくらい綺麗で。
耳をすませば
今でも君の声が聞こえる。
「aym、大好きだよ。」
ギュッ
抱きしめても
春ははなびらのように
僕の腕をすり抜けて
それでも忘れたくなくて
何度も何度も
どうか、時間を巻き戻して。
最初からリセットして、
君ともう一回出会って、
もう一回恋したいんだって。
その時は、もう離さないよ。
離さない。
街の歩道橋の上にも、
横断歩道の向こうにも、
駐車場の緑のフェンスの前にも、
いたる所で君の想い出が笑ってて。
言い忘れたけど、
君のことがまだ
だよ。
1人でつぶやいただけなのにな。
涙が溢れてくる。
どれだけ抱きしめても
あの春は
はなびらのように僕の腕をすり抜けて、
でも、忘れたくなくて、
何度も何度も願う。
巻き戻して。
君と、もう一回出会って、恋がしたい。
今度はもう離さないよ、
嘘じゃない。
枯れ落ちた花が、あの日と同じ風に吹かれる。
僕たちは、
この春を、この恋を忘れて、
そして彼さえも忘れ、
これから、新しい春へと流れなければいけない。
僕の終われなかった恋を連れて今、
はなびらは上へと舞い上がっていく。
抱きしめても
春ははなびらのように
僕の腕をすり抜ける。
それでも、絶対君を忘れたくなくて、
何度も何度も叫んだ。
誰か時間を巻き戻してほしい。
叶うのならば、
君ともう一回出会って、
君ともう一回恋したいんだ。
もしも会えたら、
今度はもう、離さないよ。
絶対に、もう、離さないんだ。
ずっと一緒にいてやる。
君を離さない。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。