ルカ「…… 碧月 … 」
あれからどれくらい時間が経っただろう…
俺の涙は止まることなく流れ続ける
窓からふわっと風が吹くと、ハット帽の男が現れた
??「おやおや、随分と派手にやられましたねぇ」
ルカ「うるさい …… 消えろ ……」
??「そんな事、言ってもいいのですか?
貴方にとって、とても嬉しい話なのです
が ……」
ニヤニヤしながらハット帽の男が言う
ルカ「……?」
??「上手におねだりできれば、あれば貴方の愛人
を生き返らせる方法を教えます」
ルカ「……本当…だろうな……?」
??「ご心配無く。私は嘘が嫌いなのでね」
ルカ「………」
こいつを信用してる訳じゃない。でも …… 碧月が生きていてくれるなら………
??「どうします?」
ルカ「……分かった。生き返らせる方法を教えろ」
??「貴方ならそう言ってくれると思いましたよ
…… ですが、先程言いましたよね?上手にお
ねだり出来れば、教えますよ 。おねだりの仕
方くらい、分かりますよね?」
ルカ「…ッ………お…願い………します」
??「…ふふ。よく出来ました」
??「では、お約束通りお教えしましょう」
「その亡骸に、自分の血を飲ませれば良いので
す。簡単な事でしょう?」
本当に簡単な事だった。どうして今まで知らなかったのか不思議なくらい
ルカ「それだけ… なのか?」
??「はい。そうですよ
では、もうここに用はないので私は帰らせて
もらいましょう」
そう言うと、ハット帽の男は消えた
この言葉をボソッと呟いて
??「ま、飲ませたら最後。
もう、普通には生きられませんけどね」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!