第30話

東京観光
445
2023/05/30 01:09
あなた
「人が多いな…」
今、とてもゲンナリしている。体を動かせないため、暇つぶしのために東京観光としゃれこんだのだが、あまりにも人が多かった。
あなた
「さて…どーすっかな。スカイツリーにでも行ってみるかな。」
観光は好きだが、特別好きな場所などがある訳では無い。適当に1日潰せれば割とそれでいいのだ。
タクシーを拾ってスカイツリーへ向かう。ぼやっとしているうちにスカイツリーへたどり着いていた。
あなた
「おぉ〜、やっぱすげぇな。来たことある気がするけど、いつだったかな。高い建物を見上げんのは爽快だな。」
しばらく余韻に浸り、中へと入る。ロビーは広く綺麗なものだった。そして中央には上へと上がるエレベーターがある。
あなた
「色々見て回んのは上に上がってからでいいか。」
エレベーターへ乗り込み、上へと向かう。周りを見ればどんどん小さくなっていく街並みを見渡せる。
あなた
「(こんだけ建物があって…人がいて…その分呪いも増えていく…宿儺が出てきた以上、この平和な景色がいつまで続くかも分かんねぇ…)」
悠二は死んでしまったが、正直宿儺がこのままハイサヨナラとはいかないはずだ。そして特級呪霊が何かをしているという話さえ出てくる始末だ。
あなた
「(ムカつくぜ。マジで。)」
考え事に浸っているうちに、どうやら行くところまで行ったようで、後ろから声をかけられた。
従業員
「お客様?到着しましたよ?どうかなさいましたか?」
あなた
「…!いえ、なんでもないです。すいません。」
軽く会釈をし、エレベーターから降りる。そのまま窓際まで歩いていき、景色を見る。
あなた
「(いい眺めだな。人がゴミのようだ…)」
上からの景色を堪能し、思いに耽り、スカイツリーを後にするのだった。

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