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第1話

ファインダー💫🩵🤍
28
2026/02/07 07:52 更新


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俺は、カメラを持つと少しだけ楽になる。




人と話すのは、正直あまり得意じゃない。





自分の気持ちを言葉にするのは、もっと苦手だ。





でも、ファインダー越しなら――ちゃんと世界を見れる気がする。




光とか、空とか、何気ない景色を撮るのが好きだ。




同じ瞬間は、二度と来ないから。





ちゃんと見たって証を、残しておきたくなる。




メルト また撮ってるの?



声がして、振り向く。



そこにいたのは、メルトだった。



Lapis ……うん




短く返しながら、カメラを下ろす。



さっきまで撮ってたのは、窓から差し込む夕方の光。




メルト Lapisってさ、そういうの好きだよね。


メルト 光とか、空とか。



Lapis ……好き、というか。



言葉を探して、少しだけ考える。




Lapis 消えちゃうから、




メルトは、少し首を傾げる。




Lapis 残しておきたいんだ。




Lapis ちゃんと見たんだって思えるように。





そう言うと、





メルト そっか、笑




メルトはそれだけ言って笑う。





その反応に、少しだけ安心する。




俺は――メルトのことも、よく撮ってる。





本人には、ほとんど言ってないけど。




笑ってるとき。



誰かと話してるとき。



歌ってるとき。



どの瞬間も、見逃したくないって思ってしまう。





……好きだから。




その言葉を、心の中で認めるだけで、少し息が苦しくなる。



ある日、撮影の合間に、メルトが俺の隣に座った。


メルト 写真、見せてよ



Lapis ……え?






メルト えっ って、Lapisいつも撮ってるじゃん。




逃げられない。




観念して、データを開く。




空の写真。



街の写真。



メンバーの写真。




そして――メルトの写真。



メルト ……俺、多くない?



メルトが、少し笑う。



Lapis ……たまたまだよ笑




自分でも、嘘だって分かる。




メルトは、しばらく画面を眺めていた。



その時間が、妙に長く感じる。




メルト Lapisの写真ってさ




そう言って、俺を見る。





メルト 優しいよね




心臓が、少し跳ねた。




メルト なんか、俺の事大事に見てくれてる感じする。




その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が、じんわり熱くなる。




メルト 俺さ、こういう風に見られてたんだって思うとちょっと…嬉しい。



メルトは、少し照れたみたいに笑った。







何か言わなきゃって思うのに、声が出ない。




言葉にしたら、全部こぼれてしまいそうで怖いから。





夕日が、部屋をオレンジに染める。




俺は、そっとカメラを持ち上げた。





ファインダー越しに見るメルトは、 いつもより、少し柔らかく見えた。




――今、この瞬間を残したい。




シャッターを押す。




その一瞬だけ、自分の気持ちを隠さなくていい気がした。




この景色も、この時間も、



メルトのことも。



ちゃんと覚えていたい。




言葉にできなくても、写真なら、残せるから。




俺は、もう一度だけ、静かにシャッターを切った。

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また新作出しました!


というか、曲パロリベンジです!!


下手すぎてたので消してまた新たに作ったのでぜひ見てほしいです!!!

ではおつさゆ!

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