( HJ side )
俺が、お前を忘れたせいで巣を満足に作れないのに……
それでも、そんな愚かな番の香りを拠り所にして、必死に抱きしめていたなんて______
胸の奥がきゅっと締めつけられる。
自分が着ていたパーカーを脱いで、そっとヨンボクの頬に寄せた。
瞳をとろんと細めて、顔を埋めるヨンボク。
その表情に、理性が音を立てて崩れていきそうになる。
可愛すぎて、愛しすぎて______
思わず抱き寄せそうになる衝動を、ぎりぎりのところで押しとどめる。
言いかけたとき_____
ヨンボクが、パーカーを抱きしめたまま、反対の手でズボンの裾を指先で引く。
震える声で、ぽつりとこぼした。
潤んだ瞳。寂しげな声。
そのまま、胸元に縋るように、視線を重ねてくる。
_______もう、堪えられなかった。
そう言って、両手をそっと広げれば、
次の瞬間_____ヨンボクがふわっと飛び込んできた。
温かくて、震えてて、
でも、ちゃんと、自分の腕の中に収まってくれた。
俺の言葉に、ヨンボクの小さな手が、背中をギュッと握った。
静かな世界のなか、ふたりだけの時間がゆっくりと流れていく_______
良ければ♡・💬お願いします👐















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。