【あなた視点】
それから朝ご飯を準備していたら、
永葵さんとBroooockが帰ってきた。
Broooockはスマイルに耳元で何か話してた
…何かは分かんなかったけど。
それから、ちょっと永葵さんが暗い顔
してたのはなんでなんだろう。
そう言ってはぐらかされた。
その後、私達は色々なことをした。
湖で釣りをしたり、泳いだり、
肝試しと言って夜の森を歩いたり…
5日間があっという間に過ぎていった。
でも、何をしても永葵さんは
日陰になる場所や木陰にいた。
…日光が苦手なのか分かんないけど、
移動するときは日傘持ってたりして、
ずっと日陰でにこにこしてた。
そして、最終日。
私達は荷物を纏めていた。
永葵さんは、ちょっと散歩してくるって
朝から行ったきり見かけることはなかった。
…いよいよ出発の時間になっても、
永葵さんが帰ってくることはなかった。
そんなことを話してるときに、木陰に
微笑んでる永葵さんが見えたのは、多分、気の所為。
それから私達はキャンプ場の管理人さんに聞いて
その人のお墓のある場所を教えてもらった。
花畑に…ぽつん、と1つ佇んでいる墓石は
綺麗な四角い形で、太陽の光で輝いて見えた。
でも、私はその墓石に書いてある名前を見て驚いた。
"蒼鐘永葵 之墓"
それから、私はBroooockに
永葵さんの事を教えてもらった。
歩いてるときに影がなかったこと、
5日間一緒にいて、一切食べ物や
飲み物を摂っていなかったこと、
深夜に出かけては、お墓の前で
一人泣いていたこと……
知らないことがありすぎて、よく分かんなかった。
お墓の前で、手を合わせてこう告げた。
皆でお花を摘んで、お墓の前においてあげた。
そうしたら、周りに咲いている花がふんわりと
揺れていて、喜んでくれたかな、と思った。
夕暮れ時、最後にコテージに忘れ物がないか
確認してると、テーブルの上に手紙があった。

"一目惚れ"そう書いてあってドキッとした。
気持ち悪いなんて思うわけない、むしろ嬉しい。
もしかしたら、私もこの5日間でちょっと
恋をしていたのかもしれないけど、よくわからない。
手紙を丁寧に四つ折りにしてポケットに入れた。
成仏…されてるかな。
車に乗る前に、ふと木陰を見たけど
永葵さんの姿はなかった。
でも、これは言わないといけないと思って
初めに会った木の下で、
こう言った。
また来年も、皆でここに来よう。
〘白尾棟〙に泊まろう。
このキャンプ場から出ていくときに
"また来てね、大好きだよ。"
と、見えない永葵さんから、言われた気がした。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。