きゅ、きゅ、と靴と床の擦れる音、他のメンバーの息遣い、そして次のライブで流れる音楽が聞こえるこの部屋。
僕はこの部屋が大好き。
LIVE本番まで1ヶ月が切った頃。
毎週末のように集まってダンス練習をする。
それが大好きで。
…だけど、
初兎ちゃんの唐突な言葉。
昨日の夜は、僕は家にいた。
初兎ちゃんは昔から、僕の知らない話をする。
おかしい、そう思って言っても初兎ちゃんは不思議な顔をするだけ。
それに、この会社のブドウ味のジュース。
僕の好きな味じゃない。
そう、そして、あにきも変。
よく、僕がほしいって言ってたものを買ってくれる。
週末なんてお酒とかジュースとか沢山買ってきてくれる。
そう言えばこのジュースは毎回飲んでない、だからあにきは知ってるんだ。
最初は色んなものを買ってくれるのも甘やかしてくれてるんだと思ってたけど、
検索しただけのものだったり、高価なものだったり。
すぐに買ってくれるあにきに恐怖を覚える。
軽く笑うないちゃんの腕。
さっきのダンス練習中にちらっと見えたけど、長袖の下の腕には赤い筋が沢山並んでいた。
よく、ないちゃんは自分を傷つける。
原因は分からないけど、。
繊細なないちゃんはないちゃんなりに傷付くことが沢山あるんだろう。
だけど、怖くて。
やめて、なんて言えない。
そんな話をしているとif裙は機嫌が悪くなって毎回決まって僕を睨む。
りうちゃんも、時々同調する。
けど違うのは、りうちゃんはif裙と違って僕を睨むんじゃない。
他のメンバーを睨んでいる。
怖い、そう思うけど。
それでも話してる時間が楽しいから、。
メンバーから離れられない。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!