第5話

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2025/12/30 23:00 更新
















その日から、バズーカは変わった。

街を荒らしても、
ヒーローを倒しても、
必ず――一人だけ避ける。










あなた
      ……来てる      









屋上の縁から、あなたは氷の広がる気配を感じ取った。









あなた
  ( 轟…… )  










名前を呼びそうになって、唇を噛む。









あなた
      ……ダメ      












自分に言い聞かせる。

あのヒーローに近づくほど、
自分は弱くなる。


だから――

あなたは、進路を変えた。











轟焦凍
     バズーカ!     










聞き覚えのある声が背後から響く。

でも、振り返らない。

大砲を生成し、煙幕用の一発だけを撃つ。











轟焦凍
     ……逃げるのか     
 








轟の声が、少しだけ低くなる。

逃げてるんじゃない。
避けてるだけ。


白煙の中を駆けながら、あなたは胸を押さえた。

これ以上、見たら……絶対、止まれなくなる。




































別の通りで、ヒーローたちが倒れていく。

あなたは冷静に処理し、
致命傷だけは避ける。

――余計なことを考えないために。









あなた
     ………次     










そう呟いて、大砲を構えた瞬間。

地面が凍った。









あなた
     ….…っ     












退路を塞がれ、あなたは舌打ちする。









轟焦凍
     逃がさない     










轟が、正面に立っていた。









あなた
     ………しつこい     










あなたは視線を逸らす。









あなた
     あなたと戦う気、今日はない     
轟焦凍
     なぜだ     










即答だった。

あなたの喉が、きゅっと締まる。








あなた
  ( 聞かないで )  
あなた
     ………理由はない     










砲身を下げる。

それだけで、轟の目が細くなった。








轟焦凍
     昨日までとは違う     



あなた
     ……人は、変わる     










短く言い切る。









あなた
  ( 変わらなきゃ、いけないんだよ )  










沈黙が落ちる。

轟は一歩、近づいた。









轟焦凍
     俺を、避けている     










断定だった。

あなたの指先が、わずかに震える。









あなた
     ………勘違い     

轟焦凍
     勘違いじゃない     










氷が、さらに足元を覆う。

逃げ場が消える。









あなた
     ……やめて     










思わず、声が漏れた。

轟が、一瞬だけ動きを止める。

あなたはその隙に、煙幕を放った。









あなた
     今日は……これ以上、近づかないで     










白煙の向こうから、震えた声だけが残る。









あなた
      ……私は、ヒーローが嫌いだから     










それが、嘘じゃないことが、
一番つらかった。

煙が晴れたとき、あなたの姿はなかった。

轟は、氷の上で立ち尽くす。









轟焦凍
     ……嫌い、か     










でも、あの声は――
拒絶にしては、弱すぎた。

避けられている理由が、
憎しみだけじゃないことを、

彼は、まだ言葉にできずにいた。






















                                                                     …Next






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