椅子から立ち、ドアに向かう
こちらに背を向けて
あるはずの無い大きな壁が見える。
出ていくのを止められない。
最初にやった模擬戦の時と同じだ。
でも、同じじゃない人も居る。
あなたは息を飲む
扉を向いているあなたの背中に真っ直ぐ話す。
微かにあなたの肩が震える
あなたはこっちを振り向き、ショッピの言葉を遮る。
顔を涙でぐしゃぐしゃにして必死に、叫んでいる。
ショッピ side
あぁ、俺らは大きな勘違いしていたようや。
彼女は暗殺者で、とんでもなく強くて
その辺の人よりも考え方や行動が大人で
それが当たり前だと思ってた。
でも、それは違った。
大人になるしか道が無かったんだ。
小さい頃から1人で生きて。
大切な人を全員なくして。
自分しか、自分を守ることが出来なかった。
いつもの、隙がなく、どんな事でもこなしてしまう
完璧な彼女の姿は見る影もない。
今ここで声をあげて
大きくしゃくりをあげながら泣く彼女は
たった1人の小さな、小さな、少女だった。
そうか、アンタは、
子供でいられる時間が短かったんやね。
なら、俺らが出来る精一杯。
高く、硬く、積み上げた壁を壊して
あなたの心にそっと触れよう。
ホンマは、どっか行かないなんて約束も出来ない。
戦争も多いし、危ない時だって絶対ある。
でも、今は仲間がおるから。
なにかあっても、きっと俺らは
〝守り合うこと〟が出来るから
あなたside
この目を、私は知ってる。
どこにも根拠なんてないのに
「着いてこい」なんて言う彼の目を、私は知ってる。
優しくて、芯があって、いつだって未来を見ている目
どこで見たんだろうか
両親「あなた〜!」
両親の目は、いつだってあんな風に優しかった
ラナンキュラス「Ace!w」
あの子の目は、いつだってあんな風に真っ直ぐだった
gr「俺の仲間なら容易い事だ!」
グルッペンさんの目は、いつだってあんな風に未来を見てた。
なんだ結局、そうじゃないか。
いつだって私は、この目をしてる人が好きだった。
真っ直ぐで、かっこよかったから。
かっこいい人にはついて行きたくなるでしょ?
こんな子供みたいな理由でも
私の動く理由としては十分だった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!