第53話

おとな
761
2024/04/19 09:04 更新


あなた
失うなら、守れないなら
最初から作らなければいい

あなた
何も、持ってなくていい







あなた
これが私の過去

あなた
貴方達の元に来たのは
単純に依頼があったから
あなた
こんな長居する予定なんてなかった

あなた
……なんか質問とかある?
もう隠すものとかないからいくらでも答えるけど?













鬱
……じゃあええかな?


コネシマ
コネシマ
……大先生?


鬱
途中に出てきた、ナイフを食らった
男の子の事なんやけどさ


























鬱
俺のことやんな?



あなた
…やっぱり本人には分かりますよねw


ロボロ
ロボロ
え、?どういうこと、?



鬱
最初、アンタがJACKとしてここに来た時、俺んとこにナイフが飛んできたやん?



鬱
あん時、危ない!って、めっちゃ必死の顔して守ろうとしてくれとった。
鬱
その顔に、凄い見覚えがあったんよ




鬱
……いや、ほんまは戦ってるのを見てる時から、ずっとなんか知ってるな、って思ってた
















鬱
君やったんやね、あなたちゃん
あなた
……良い仲間が出来たようで良かったです
鬱
そんなこと言って、俺がどこで過ごしてるかなんて、全部知っとったんちゃうん?w
あなた
…まさか?w
鬱
……まぁ、ええわw













あなた
それで?他に質問ある?












あなた
無い?じゃあ、これからも
無闇に関わってこないでくださいね
あなた
仲間とか、もう懲り懲りなんで






椅子から立ち、ドアに向かう




こちらに背を向けて
あるはずの無い大きな壁が見える。




出ていくのを止められない。
最初にやった模擬戦の時と同じだ。






でも、同じじゃない人も居る。










ショッピ
ショッピ
……ほんまに言ってますか?それ


















あなた
…………………は?

オスマン
オスマン
ショッピくん…?



ショッピ
ショッピ
ほんまに、何も要らないんですか?



あなた
要らないってさっきから言ってるでしょ






ショッピ
ショッピ
なら……
なんで今まで逃げなかったんですか?







あなた
…ッ……





あなたは息を飲む





ショッピ
ショッピ
見張りは居ない。監視カメラだって
貴方なら映らずに、というか
そもそもハッキングとかして、逃げることだって出来たはず。


ショッピ
ショッピ
でも、そうはしなかった



ショッピ
ショッピ
それは何故か。





扉を向いているあなたの背中に真っ直ぐ話す。






ショッピ
ショッピ
〝誰か〟に見つけて欲しかったから。






ショッピ
ショッピ
〝誰か〟に仲間だって
言って欲しかったから。













ショッピ
ショッピ
……〝俺たち〟と
一緒に居たかったから、












ショッピ
ショッピ
だから今まで逃げずに、ここで過ごしてきたんじゃないんすか、!!?




微かにあなたの肩が震える



ショッピ
ショッピ
教えてくださいよ……!
本当のこt!!
あなた
違う!!

ショッピ
ショッピ
ッ!




あなたはこっちを振り向き、ショッピの言葉を遮る。




顔を涙でぐしゃぐしゃにして必死に、叫んでいる。




あなた
うるさいうるさいうるさい!!!
黙れ!!!私は何も要らない!
もう、いやなの!!!誰かと居て
これ以上……苦しみたくない…ッ…!!

ショッピ
ショッピ
先輩、!

あなた
目の前で居なくなっちゃうなんて
耐えらんない!!
あなた
あの時私が、1秒でも早く気づいてたら…!!!
あなた
私が、守れれば……!

あなた
私が!〝わたしが…〟守れれば…、
今もいっしょにいれたのに…!!!








あなた
…と…-…-だ






ショッピ
ショッピ
…え?








あなた
もう…ひとりは、いやだ……!


あなた
ひとりぼっちに、しないで…………!!!




あなた
…うぁ……ーッ!ーぁぁ…ッ…!!













ショッピ side




あぁ、俺らは大きな勘違いしていたようや。



彼女は暗殺者で、とんでもなく強くて

その辺の人よりも考え方や行動が大人で

それが当たり前だと思ってた。






でも、それは違った。

大人になるしか道が無かったんだ。

小さい頃から1人で生きて。
大切な人を全員なくして。
自分しか、自分を守ることが出来なかった。





いつもの、隙がなく、どんな事でもこなしてしまう
完璧な彼女の姿は見る影もない。




今ここで声をあげて
大きくしゃくりをあげながら泣く彼女は
たった1人の小さな、小さな、少女だった。





そうか、アンタは、




子供でいられる時間が短かったんやね。






なら、俺らが出来る精一杯。

高く、硬く、積み上げた壁を壊して
あなたの心にそっと触れよう。







ショッピ
ショッピ
……あなた先輩。
なにを勘違いしてるんすか?



あなた
…………ぇ…?



ショッピ
ショッピ
ここに居る人達は、全員強い。
先輩が守らなくても生きていける。
それどころか、先輩を守ることさえ出来る人達ですよ?
ショッピ
ショッピ
勝手にどっか行くわけない
じゃないですかw





ホンマは、どっか行かないなんて約束も出来ない。
戦争も多いし、危ない時だって絶対ある。




でも、今は仲間がおるから。





なにかあっても、きっと俺らは
〝守り合うこと〟が出来るから






ショッピ
ショッピ
だから安心して
俺らに着いてくればいいんですよw

















あなたside




この目を、私は知ってる。




どこにも根拠なんてないのに
「着いてこい」なんて言う彼の目を、私は知ってる。




優しくて、芯があって、いつだって未来を見ている目




どこで見たんだろうか



















両親「あなた〜!」


両親の目は、いつだってあんな風に優しかった









ラナンキュラス「Ace!w」


あの子の目は、いつだってあんな風に真っ直ぐだった









gr「俺の仲間なら容易い事だ!」


グルッペンさんの目は、いつだってあんな風に未来を見てた。
















なんだ結局、そうじゃないか。


いつだって私は、この目をしてる人が好きだった。


真っ直ぐで、かっこよかったから。


かっこいい人にはついて行きたくなるでしょ?


こんな子供みたいな理由でも


私の動く理由としては十分だった。









あなた
……ほんとに、ばかじゃないの…?w


あなた
私が後ろを大人しく
着いていくと思う?w




あなた
……隣で、一緒に、戦ってくれる?










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