「ならお前の相棒は俺でなきゃ駄目そうだな____。」
聞き覚えのある声が耳によぎる。空耳にしてはしっかり脳に焼きつかれた。ルビーの声でもない、紫霊の声でもない。
優しくて暖かい声、1番長いこと声を聞いてきた紫霊が1番最初に気付いたようだ。紫霊の声にキラも瞳孔を開く。
その声は10日間聞いていた声とは違い、
透き通って、綺麗な発音で、
落ち着くような声だった。
やっと引っ込んだはずの涙がまたキラの目尻から溢れ出す。でもその涙はキラ1人ではなかった。キラが感情を1番共有できる相手_______
緑色に戻った瞳から流れる暖かい涙、そっと微笑んだ優しい顔。ザキの顔が和らいだ。
後ろの2人も安心したように笑った。その光景は誰が見ても涙を溢すものだろう。それほど優しくて穏やかな空気だった。
キラがザキの胸に顔を押し付けて泣き叫ぶ。頬と目の下が赤く染まっていた。まるで幼い子供を見ているかのようか様子で。
その反面ザキは冷静な様子だった。ただ目から雫がこぼれ落ちていることを除いて。まるで幼い子供を慰める親かのような振る舞い。
やっとザキが普通の日本語を喋るようになったのに今度はキラが途切れ途切れの日本語に変わる。
キラの意見を全力で肯定する文章。こんな文章そんな優しい声で言われるたら惚れるしかないじゃかいですか。
キラの鳴き声が徐々に収まっていく。ザキも溢れていた涙が少なくなっていく。ただキラは鳴き声が収まってもザキの胸を離れることはなかった。
キラから零れた涙、ザキから溢れた笑顔とき、この病が終わりを告げた_______。
『俺の相棒は殺人病』______完結













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。