下駄箱には、画鋲が大量に入っている。
上履きは、布の部分が刃物でぐちゃぐちゃにされている。
書いてあったはずの名前は、いつの間にか消えている。
置かれたのは、いじめっ子のリュック
返事をしなければ、暴力や暴言。
かといって、返事が長ければ暴力や暴言。
あの時を思い出してしまそうで、気持ち悪くなる。
あの出来事は、、
ガラッ バッシャーン
いや、君が渡してきたんじゃん。
いつも水ぶっかけるくせに。
なんなんだ、カッターで刺してきたぞ、こいつ。
ますます、あの時を思い出すじゃんっ
体にカッターで刺されながら片付けるのは、とても苦痛だった。
慣れて仕舞えば、問題ないけれど。
キーンコーンカーコーン
昼休み
楽しみにって、どういうことだろう?
この思いを、なんであの時は考えないようにしたんだろうなあ
あんなことが起こるとは思わなかった。
二階分のかいだんをあがると見えてくるのは、立ち入り禁止の屋上
俺らは勝手に入ってお昼食べてるけど
なんか、ここに俺がいるの申し訳なく思えるなあ。
みんな、キラキラ輝いて見える。
あと、数分しかなかったから、適当なところに座ってさっさと食べる。
みんなは、楽しそうに話してるのに。
キーンコーンカーンコーン
本当は、別れなくて良いんだけどね。
いじめっ子に見られたら纚紆薇たちが危険だから、
あそこで別れる。
授業には遅れるけど。
な、なんとか間に合った…。
キーンコーンカーンコーン
ぎ、ギリギリセーフ!
どこだ?ちゃんと机の中にしまったはず!
いじめっ子が、めっちゃ笑いながら差し出してきたものは、
ぐちゃぐちゃになった俺の教科書とノートだった。
どこかで、この光景を見たことがある気がする。
ん、なんかチクッって刺さった?
ポタ ポタポタ
いじめっ子に言われて教科書をどかしてみると、
血だらけになった手があった。
なにで刺したんだろう?
大人しく従わないと、なにをされるか分からないからついていくことにした。
これが、のちにあんなことのなるとは知らずに。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。